当特集 ★第8話★「衝撃」 から ★第18話★「黒島」 において、糖質制限推進創始者とも評される、釜池豊秋先生(元医者)の講演会「病気は自然のしっぺ返し!」(2012年、第18回日本がんコンベンション )の模様をレポートしてきた。
「自然じゃないものを食べるからニンゲンは病気になるんだ!」
「自然じゃないものとは”炭水化物”だ、人間は食べちゃアカン!」
「何、この田んぼ?潰してしまえ。」
「田んぼがないから、この島へ移住したんや」
「山羊は殺す。俺が食うために。」
「人類はもともと肉食」
「農耕以前は人類は炭水化物食ってない」
「炭水化物は人類は食っちゃアカンのや!」
「糖質と食物繊維を分けるのをやめた!両方不要や!」
「糖質ゼロ」を説いた釜池先生の著作そして恐らくはこの講演会Youtubeが、医者達に与えた衝撃や影響には凄まじいものがあったようだ。
釜池先生が医師を廃業されて南国の離島に移住された後、釜池先生の著作や講演に多大な影響を受けた医師、すなわち「糖質制限推進派センセ方」が、雨後の筍のようにワラワラと大量に湧き出してきた!
釜池先生が俗世間という舞台から去った後、いわゆる「釜池イズム」の信奉者や後続者となった医師たちが続々と登場したのである。
ただし、どの先生も「糖質を取るな。脂質でエネルギーを賄え」という、釜池先生の主張の焼き直しだ。
そして、どの先生も「腸内細菌」や「食物繊維」の重要性について語る人はいなかった。
「腸内細菌様の存在を無視した食事法を絶対正義と信じて糖質制限一神教で患者を診察したり、何なら健康日本人に対してダイエットだと勧めるボンクラ医師ども。
少なくとも、釜池先生は「糖質制限ダイエット商法」には乗らずに、医師をやめて表舞台から去っていった。
と、同時に、激しく炭水化物や糖質を敵対視する「釜池イズム」を継承した糖質制限推進派医師たちのなかには、腸内細菌との共存共生の大切さを解説した人は、一人もいなかった。
一人も、だ!
糖質制限派医師の間では、糖質量や実践法をめぐって「プチだ、ロカボだ、断糖だ、MECだ、高たんぱく高脂質だ、プロテインだ、鉄だ」とのクソしょーもない縄張り争いや、流派が生まれた。
要は「商売」になったのだ。
釜池先生の著作・講演・態度が、日本社会に与えた悪い影響。。。。。
それは、「炭水化物全体を徹底的に悪者にしたフードファディズムに陥ったバカ医師たち」と「医師という権威を信用してかえって健康を害した人」を、大量に生み出してしまったことであろう。。
「医者をやめた」と言うことは「もう患者を診ない」
そしてそして
「食物繊維も排除する」ということは「腸内細菌と共生しない」
山羊の殺害死体画像を見せられたり、質問者が怒鳴られてしたりで、有益な情報も得られず、何だか「バッドエンド」のような講演になったのは、残念である。
この講演会を最後に、今(2025年1月)までの約13年間、私がググった限りでは釜池先生は一切公の場に姿を見せていない。
公での新たな発言もないようだ。
つまり、当講演会の2012年から現時点の2025年までの直近13年間の釜池先生のイメージは、壇上から講演客を怒鳴りつけたままのラストの姿で、固定されてしまった。
人間社会に背を向けて「一生、糖質ゼロや!」と激怒して、一般社会という舞台を去った釜池先生。
「ペット(山羊)殺し」も「田んぼがない島」も、釜池先生にとっての自然な生活行為だということは分かった。
しかし、講演動画を視聴した私が持つ、この言いようのない違和感、不快感、嫌悪感は何なんだろう?
もし仮に「人間社会を痛烈に批判する」釜池先生が「田んぼのない環境」どころか「電気も水道もない環境」で、飼っている山羊ではなくて、素早く動き回る屈強な野生の動物を狩猟して仕留めて殺して食うんだったら、「自然な生活」として何ら違和感も嫌悪感もないだろう。
どこかの山奥で掘っ立て小屋でも建てて、自家製水道でも引いて、野生のイノシシやシカやツキノワグマを槍やワナで仕留めて、それだけで生活すれば、正に「人間社会に頼らない、自然な環境下での糖質ゼロの実践者」であろう。
もし仮に「人間社会を痛烈に批判する」釜池先生が「田んぼのない環境」どころか「電気も水道もない環境」で、飼っている山羊ではなくて、素早く動き回る屈強な野生の動物を狩猟して仕留めて殺して食うんだったら、「自然な生活」として何ら違和感も嫌悪感もないだろう。
どこかの山奥で掘っ立て小屋でも建てて、自家製水道でも引いて、野生のイノシシやシカやツキノワグマを槍やワナで仕留めて、それだけで生活すれば、正に「人間社会に頼らない、自然な環境下での糖質ゼロの実践者」であろう。
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た・だ・し。。。。で、ある。
た・だ・し。。。。で、ある。
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ふぅ・・・・・・
そもそも21世紀の人間社会で、それも現代の日本国内において「すべて自らが狩猟したもので、食事を賄うこと」が可能なのだろうか?
しかも釜池先生は「炭水化物(糖質+食物繊維)」は一切食べないと宣言されている。
つまりそれは、「狩猟採集」ではなく「狩猟のみ」を意味する。
AIによると、今の日本での「狩猟」とは、以下のとおりである。
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日本では、鳥獣保護管理法に基づいて、狩猟鳥獣を対象に狩猟を行うことが認められています。 狩猟鳥獣は、日本に生息する野生鳥獣約700種の中から、狩猟の対象としての価値や農林水産業への被害、鳥獣の生息状況への影響などを考慮して選定されています。 狩猟を行うには、次の条件を満たす必要があります。 狩猟免許を取得する 狩猟を行う都道府県に狩猟者登録する 法令で定められた制限を遵守する 狩猟免許には、 装薬銃・空気銃を使用する「第一種銃猟免許」 網を使用する「網猟免許」 わなを使用する「わな猟免許」 などがあります。 免許は都道府県が実施する試験に合格することで取得でき、有効期間は3年間です。 狩猟鳥獣以外の鳥獣を捕獲するには、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可制度を利用します。 この制度では、学術研究や農作物などの被害防止などの目的で、環境大臣や都道府県知事の許可を得て捕獲や採取を行うことができます。 |
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ふぅ~。
やはり高度に文明化された社会では狩猟を行うことさえハードルが高いのに、ようやく狩猟で得た「肉」のみで生活することなど不可能であろう。
ましてや武器(銃、ワナ)がないと、いかにトライアスロンで鍛えた釜池先生であっても、すばしっこくて屈強な野生動物を捕まえられるはずもない。
せいぜい、食用ペットを殺して食うのが関の山なんだろう、それで、あの講演で「ヤギの死体画像」を見せたのだろう。
ただし、私や大半の人なら不快に思うであろう大問題は、釜池先生がその行為を「自然な、生活」だと言ってしまったからだろう。
屈強な野生動物と対峙して仕留めて食うのが自然であって、家にいるペットを殺して食うことは人為的行為であるので、間違っても決して自然ではないだろう。
(最も「田んぼのない島」ならすべて自然とのお考えであるなら別だが・・・・・)
それでは、「狩猟のみ」を「狩猟”採集”」に生活条件を広げたら自立した生活は可能だろうか?
ただし「採集」は、木の実や果物、球根ノイチゴ、アケビ、ノブドウ、クワの実などの果物、キノコ、ツクシやワラビなどの山菜、クズの根やワラビの根、ユリの根、ヤマノイモの根菜類や海藻など、釜池先生が忌み嫌う「炭水化物」がメインとなる・・・・・
現代社会の日本において、「狩猟のみ」はまず不可能であっても、炭水化物摂取を含めた「狩猟採集」においては、長年にわたって生活してきた人はいるようだ。
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【驚異】13歳で家出して43年間たった一人で洞窟や野山で暮らした男の壮絶なサバイバル生活。
「洞窟オジさん」と呼ばれた男はなぜ人を避けて山に逃げ、どうやって生きのびたのか?
13歳の時に家を飛び出して以来人を避け、43年間洞窟や野山でサバイバル生活を続けてきた加村一馬さん。 なぜ彼は山にこもったのか? 彼はどうやって生き延びたのか? 彼の著書をもとに、彼の壮絶な人生を覗きます。 |
【動画出典;共鳴空間 より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました】
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無人島で孤独に暮らす全裸の男 - In Subtropical Solitude
長崎真砂弓、78歳。 「裸のおじさん」の名で通るこの男性。 沖縄の無人島、外離島(そとぱなりじま)という無人島で、なんと20年以上たった独りで暮らしている。自然に同化した男の生き様とその人生哲学を追う。 |
【動画出典; VICE Japan より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました】
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1本目の動画の洞窟おじさんこと加村一馬さんは、親からの家庭内虐待で家を飛び出し、北関東や新潟の山岳地域の洞窟で43年間生活したという。
昭和21年生まれというから、釜池先生と同い年、2025年には満79歳になられるはずだ。
イノシシや野ウサギや昆虫や魚など動物性たんぱく質をワナで捕まえて食べたという。
ただし、木の実や柿などの「糖質」も採集して保存食があったので、糖質は一切食べない釜池先生は、加村さんのような”持続可能な”サバイバルはできないだろう。
≪参照サイト≫ 13歳から43年間野宿していた「洞窟オジさん」はかつての住処でナニを食べていたのか?【極限メシ】(2019-10-11) |
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そして、2番目の動画に登場する、沖縄の無人島で暮らす長崎さん。
「田んぼのない沖縄の離島」で暮らす釜池先生にとっては、同じ沖縄の離島で、気象条件や田んぼなし等で住む環境が近いから、参考になるかと言えば、決してそうではない。
なぜならば、長崎さんは家族からの仕送りで週に1回は食料買い出しに行くという。
その食料とは釜池先生が大嫌いな「米」だという。
≪参照サイト≫ 全裸で孤島暮らし 長崎真砂弓さん30年ぶりに島に戻る – ARIO.NYC (2022-1-21) |
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「米や糖質が嫌い」
なおかつ
「人間社会が嫌い」
釜池先生の以上2点のお考えを両立させて生活することは、120%以上不可能であろう。
洞窟おじさんは「親からの虐待から逃げるため」
無人島爺さんは「人間社会から逃げるため」
という、大雑把にまとめると「人間社会が嫌い」がゆえのサバイバル生活を過ごしたわけであって、決して米や糖質が嫌いなわけではなく、むしろ米や穀類なども含めて好き嫌いなく何でも召し上がるであろう。
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【報告とお願い】新たな旅を始めています!
目的地は「旧石器時代」関野式タイムトラベル計画進行中。
クラウドファンディングにも挑戦中
【動画出典; 【グレートジャーニー】関野吉晴・探検家 より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました】
釜池豊秋先生には元気で長生きしてもらいたい。
そのために実践すべきは「糖質ゼロをやめること」に尽きるだろう。
私個人的には、釜池先生にはいつの日か大復活してほしいと願っている。
それも「糖質ゼロ」ではなくて、「炭水化物推進論者」として、世間や糖質制限推進派センセどもを、あっと言わせる「大変身したカマイケ」とした姿である。
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「田んぼのない島での糖質ゼロ実践」という2012年の講演会を最後とし、公の場から消え去った釜池先生。
あれから13年経過したが、先生はまだ島でお暮しなのか?
私は、もう既に、島にはいらっしゃらないような気がしないでもない。
あれから13年経過したが、先生はまだ島でお暮しなのか?
私は、もう既に、島にはいらっしゃらないような気がしないでもない。
「糖質も人間社会も嫌い」で怒りっぽいようなので、あのまま島で「糖質ゼロ」を続けていたとしたら、大変失礼ながら今は重篤な病気に侵されているのではとの心配もある。
以前の回でも書いたが、私の思いはただ一つである。
釜池豊秋先生には元気で長生きしてもらいたい。
そのために実践すべきは「糖質ゼロをやめること」に尽きるだろう。
食物繊維を含有する糖質や炭水化物を食べて腸内細菌の皆さんと共に共生共存しなければ、ニンゲンのカラダをまとっている釜池先生でも誰でも健康長寿は不可能であることは言うまでもない。
大変失礼ながら、「豊秋」というお名前からは、名付け者の「お米の収穫の喜びや脈々と引き継がれた日本の伝統を受け継いでほしい」との思いも感じられる。
私個人的には、釜池先生にはいつの日か大復活してほしいと願っている。
それも「糖質ゼロ」ではなくて、「炭水化物推進論者」として、世間や糖質制限推進派センセどもを、あっと言わせる「大変身したカマイケ」とした姿である。
それは「狩猟のみ」ではなく、「狩猟採集」でもなく、そう「自給自足」に近い生活だ。
「炭水化物を食べる、すなわち、腸内細菌の皆さんや地域の人々との共生共存」だ。
いつの日か信州の山奥かあるいは瀬戸内の島とかで、棚田や段々畑に汗を流し、炭水化物と共に暮らす「ニュー釜池」の姿を「ポツンと一軒家」あたりの番組で登場していただき、日本中を驚かせてほしいと妄想することもある!
江部先生や夏井先生をギャフンと言わせてほしい気もする。
「やっぱり炭水化物は食べないとアカンのや!」と・・・・・・・
「日本の土を大事にせなあかんねん、腸内細菌のためにも。それが真の自然や!」と・・・・・
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「日本の土を大事にせなあかんねん、腸内細菌のためにも。それが真の自然や!」と・・・・・
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【特報!!】
連載中の当シリーズ「釜夏物語」(まとめリンク先 【棚卸し●記事まとめ2024●】⑲「釜夏物語(ボクの糖質制限協狂時代)」 )ですが、主役のひとりである夏井睦先生が昔「糖質制限ダイエット推進ドクター」として出演されていたTV番組で「デブ枠」として出演されていた森永卓郎先生。
次回は、私が蔵書している森永卓郎さんの本を取り上げる予定です。
および「糖質制限反対ドクター」として出演されていた日比野佐和子先生。
糖質制限推進派ドクターとTVでバトルを繰り広げられた日比野佐和子ドクターの本も、同時に登場します。
ぜひ、お楽しみにお待ちください!!
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