ヘルシー長寿研究会2023(8)沖縄県・・長寿県復活してほしいっス!

4年前の2019年。
ヘルシー長寿研究会にて「沖縄クライシスと沖縄長寿伝統食」について特集しました。
首里城(正殿).png
ヘルシー長寿研究会【2019敬老の日】
(連載期間2019.9.15~2019.12.28;全10回)
かつて日本1位だった沖縄の平均寿命ですが、男性の順位が急激に下がった状況に危機感をもった自治体や医療栄養関係者の間で対策を検討するために「沖縄クライシス」と名付けられたようです。
特に「35歳~59歳までの働き盛りの男性の死亡率」では、5歳別に死亡率の低い県からの順位では、沖縄県は43位から46位と、ほぼ最下位に近い数値であります。
ただし、別の統計「年代別死亡率ランキング(男性)」においては、沖縄県は80歳以上の高齢者層においては、何と死亡率の低い県からの順位で1位であり、「日本で最も低い県」という統計となっています。
つまり、働き盛りの肥満や糖尿病などの生活習慣病罹患者が多いことが「沖縄クライシス」として社会問題化しているわけです。
働き盛り35歳~59歳と言えば、2010年統計時点での出生時期は、1950年代から1970年代生まれということとなり、戦後米軍統治時代から本土復帰まで「脂肪摂取量が右肩上がりで急上昇していた時期」とピタッと一致します。
脂肪エネルギー比率の推移(沖縄県).jpg
【出典;沖縄クライシスから我が国のメタボ事情を考える(琉球大学大学院医学研究科教授;益崎裕章医師の資料から引用抜粋させていただきました】
なので、ロカボ商人医師やMEC馬鹿医師の「糖質だけが悪い」という愚論は、全く間違っている狂った説だと言わざるを得ないのは、私の個人的意見ではなく、統計が無言で物語っているに過ぎません。
これらの統計の事実から考察しますに、私が超個人的に推察する「沖縄クライシス」の原因は、以下のように考えます。
1.米軍統制下時代が長かった沖縄は戦後直後から「動物性たんぱく脂質食」の摂取が増えた。
2.上記1と同様に、アメリカ式の工業食品(ファストフード、ジュース)の摂取量が増えた。
3.本土復帰後は、本土同様、食物繊維の少ない「糖質が多い」炭水化物摂取量も増えた。
4.上記1~3のように、若い世代はさつまいもなどを主食としてきた伝統的食文化からかけ離れてしまった。
「元気で長生きなご高齢者が多い沖縄」にスポットライトを当てて「沖縄の伝統的な長寿食文化」について調べて、皆さんと情報共有してまいりたいと思います。
沖縄(イラストレーター;きのさん).jpg
ヘルシー長寿食を楽しむために、実際に沖縄の郷土料理を食いまくりました。
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4年前に書いた拙ブログ記事では、かつて日本一の長寿県であった沖縄県民の、特に男性の平均寿命が年々ランクダウンしている「沖縄クライシス問題」と、一方で高齢者層では日本一生存率が高い原因が「沖縄本来の長寿伝統食」の関連について特集しました。
若いころは「さつまいも」などの食物繊維の多い炭水化物を摂取してきた沖縄のご高齢者については、統計上では「日本一死亡率が低い」つまり日本で一番健康な長寿者が多かったのです。
つまり、強引にまとめてしまう事を許して頂けるなら、食事面に関して言えば「沖縄伝統食を食べてきた高齢者は元気だが、脂質多いジャンクフードを食べてきた働き盛り世代の死亡率が高い事」が、沖縄クライシスの根本問題であるという事です。
・・・・そして今、2023年。
沖縄県の平均寿命のランキング低下は食い止められているのでしょうか?
「2020年都道府県別生命表」で、沖縄県の平均寿命は男性が80.73歳でワースト5位の全国43位
年齢別で見る平均余命では、沖縄の75歳は男性が全国2位、女性は全国1位で上位に位置しているが、20歳・40歳では男性が43位でワースト5、女性は15位と大きく順位を下げており、若年者ほど寿命が短くなる傾向が示され、世代間で大きな開きが出た。
0、20、40、65、75歳で分けられた主な年齢の平均余命では、沖縄は若年者ほど寿命が短いという結果が算出され、先述した通り世代間で大きな差が出る結果となった。
【出典;HUB沖縄 沖縄の「健康長寿」はどこへ…平均寿命が年々悪化 2020年都道府県別生命表 (2022/12/25)より、抜粋引用させていただきました。】
元長寿県に何が起こっているのか――。
健康診断で「異常あり」の割合が全国一高い状態が11年も続いているのが沖縄なのだ。
沖縄県労働局は事業所を通じて食生活の改善、運動不足の解消、適正飲食を推進するよう再三、呼びかけているがその効果はおもわしくない。

2021年の沖縄県の検査項目別の有所見率は、血中脂質が42.6%(全国平均33.0%)、血圧が24.9%(同17.8%)、肝機能が24.1%(同16.6%)で、これらの検査項目が特に高い傾向にあった。
業種別では製造業(80.6%)、建設業(75.3%)、運輸交通業(74.7%)が高い業種となっている。
同県は観光や運輸などの第3次産業の人口割合が東京に次いで高いことから(2020年国勢調査)、運輸交通業の割合の高さが県全体の有所見率を引っ張っているという、観光産業の盛んな沖縄ならではの事情とも考えられる。

また、公共交通機関の発達が十分でないことにより、近くのコンビニエンスストアに行くにも自動車を使うのが当たり前の車社会で、これが運動不足の原因になっていた。

沖縄の平均寿命が縮んだことは一度もない。
では、何が順位を落とす要因だったかというと、2015年の数値から2010年の数値を引いた、いわゆる平均寿命の“延び”が、男性41位、女性42位と、他県に比べて鈍化しているのだ。
同県の男女ともに平均寿命の順位が下がった背景には、冒頭で紹介した有所見率の要因もあると考えられる。
米軍統治下で一般家庭の食卓に浸透していった「食の欧米化」の影響が考えられるのだ。
日本初のファストフード店が進出したのは沖縄だった。

子どもの頃から、野菜をふんだんに使ったチャンプルーなどの沖縄料理を食べて育ち、健康的なカラダの基礎をつくり“長寿”県沖縄を牽引してきた、おばあ(高齢者)世代が亡くなって減っていることも関係している。
こうした食の欧米化やアルコール摂取量の増加によって、県民の肥満が増え、健康悪化に拍車をかける悪循環になっている。

沖縄県に限らず、全国的に見ても有所見率は年々上昇傾向にある。
「国民の健康状態の悪化は日本経済の停滞と深く関係している。健康にいい食事を摂ろうとするとコストがかかり、コストを削減しようとすると、健康に悪い食事になりやすい」
日常の健康教育により健康リテラシーの向上を目指すことも必要である。

運動不足や食習慣の欧米化は、日本全体で見られる問題だ。
欧米文化の先駆けとなった沖縄は、将来の日本の姿を表すものだ。
沖縄は長寿県? 平均寿命
保健医療部・糸数公部長「沖縄は今、長寿の世代と短命の若い世代がひとつの島の中に共存している状況だと思います。」
【画像出典;琉球朝日放送  沖縄は長寿県? 平均寿命 (2023.02.08)より、抜粋引用させていただきました】
う、ぬぅ・・・・・・
本年(2023年)時点においても、沖縄県の健康危機問題については
●若年層ほど寿命が短い
●長寿高齢層が減っている
●平均寿命のランキングは益々下がっている
・・・という傾向は4年前と変わらず改善の兆しも見えず、益々悪循環に陥っているようです。
原因としては引用記事にありますように、
●食事・・・・米軍統治下の影響による食の欧米化
●運動・・・・車社会による運動不足
・・・・などの、沖縄特有の問題があるとしていますね。
た・だ・し。。。。で、ある。
沖縄の伝統食を食べてきた高齢者の皆さんは日本一元気であり続けたという統計による実績があります。

●食物繊維が豊富に含まれる食物(サツマイモ、根菜類、ソバ)を主食とした、未精製炭水化物を摂取
●筋力が衰える高齢期になっても豚肉、豆腐(島豆腐)など、良質なタンパク質を摂取
●地域や外来の海藻類(もずく、昆布など)など、食物繊維ビタミンミネラルを摂取
●琉球石灰岩の土壌と紫外線の量が多い太陽のもとで育ったミネラル豊富で抗酸化力が高い「島野菜」を摂取
このような特徴を持つ沖縄の伝統長寿食を、沖縄県民の皆さん、とりわけ働き盛りの人が今一度取り入れてモリモリ食べて、「琉球の矜持」といえば大げさかもしれませんが、ぜひ、再び「長寿県」としての復活の狼煙を上げて頂きたい、と、あくまで下から目線で願うものでございます。
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どこかの国や地域の食事が特別に健康や長寿に効果があるとかよりも「その地域に根差した食事を、そこに暮らす住人の多くが今もメインとして食べ続けているか」も重要である、と、スリムちゃんは考えます。
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【画像出典;スリム鳴造蔵書「美味しんぼ28巻、長寿料理対決!!」より抜粋引用させていただきました。】
20世紀の第二次世界大戦とその後の状況について、特に沖縄は日本でも最も激動の時代、あまりに凄まじい変化の波が、いわば強制的に短期間に一気にやって来て、平穏な平和な日常な暮らしが大きく揺さぶられたことも、「沖縄クライシス」の根深くて哀しい遠因になっているものと思われます。
しかし、21世紀の今、地域に根ざした「琉球料理」が見直されて、官民・産学・医療機関そして県民総意で「伝統的な食事を取り入れた現代の健康長寿食」を推進しておられるので、歴史的に元々「医食同源」の考えが食事法、調理法のベースになっている沖縄ですので、状況は改善していくことでしょう。
ド底辺ブログではございますが、スリムちゃんブログでは今後も「沖縄の長寿問題」に注目し、良い流れになりますよう応援してまいります。
「季節の野菜や魚、海藻をふんだんに取り入れた琉球料理は、沖縄の人の健康をずっと支えてきたんです」。
沖縄県読谷村の料理教室で、耳慣れない名前の料理の意味や作り方を生徒たちに丁寧に説明するのは、県が認定した琉球料理伝承人で管理栄養士の 伊是名いぜな カエさん(58)だ。

琉球料理は宮廷料理だけでなく、ゴーヤチャンプルーなどの家庭料理も含まれる。
豚肉と昆布、野菜、豆腐などの代表的な組み合わせは栄養バランスが優れているとされ、2019年に泡盛などとともに文化庁の日本遺産に認定された。

しかし、沖縄の食文化は、戦後の米統治下でステーキやハンバーガーなど脂質や塩分の多い食品が普及したことで急激に変化した。
1980年に男女とも全国1位だった平均寿命は2020年に男性43位、女性16位となり、「長寿県」から一気に転落。
食生活の変化が大きな要因とされた。

沖縄特産のニンジンやラッキョウなどの島野菜は、栄養素を豊富に含むものが多い。
地元で消費する「地産地消」に加え、地元の土地に伝わる料理法で調理する「土産土法」に力を入れる。
「料理も大事だけど、賢い生産者と消費者も大事」が持論。食育に携わる生産者を紹介する地元テレビ番組にも長年協力している。

オーガニックブームやSDGs(持続可能な開発目標)が注目されたこともあって、若い世代にも琉球料理や地元食材への関心が高まっていると感じる。
食生活の改善による「長寿県の復活」は、先の長い取り組みになるかもしれない。でも、この島で受け継がれてきた味と精神は、ともに活動してきたスタッフや若い世代の教え子にしっかりと伝わっている。
【出典;読売新聞オンライン 長寿復活へ琉球料理…体に優しい 祖先の知恵 (2022.12.24)より、抜粋引用させていただきました】
アメリカの長寿専門家が絶賛する沖縄料理の魅力 
100まで生きる: ブルーゾーンと健康長寿の秘訣 
【動画出典; Netflix Japan より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました。】
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沖縄料理は長寿専門家も絶賛しているようですね!
紅芋、ゴーヤ、沖縄豆腐・・・・・・
栄養豊富で低カロリーな沖縄伝統料理をもりもり食いまくって、長寿県復活だ!
そば屋のシーサー.png
「時刻通りにくる」ことが驚きだった沖縄のゆいレール
 “オペラに結婚式に3両編成” 20年の歴史とこれから
【動画出典; 【琉球放送】RBC NEWS より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました。】
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【祝】沖縄都市モノレール「ゆいレール」開業20周年(2023.8月)!!!
公共交通機関「ゆいレール」にバンバン乗って目的地までは歩きまくって運動不足解消。
長寿県復活だ!!!
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当シリーズ「ヘルシー長寿研究会」では、「高齢化」&「少子化」そして「多死社会」を迎えていく時代の中で、どのように「ヘルシー&長寿」を過ごしていけばいいのか調べて、読者の皆さまとお役立ち情報などを共有できたらと考えて記事作成してまいります。
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なお、過去の「ヘルシー長寿研究会」の記事につきましては、以下リンク先のまとめサイトや関心を持たれた各タイトルのページをご覧くださいませ。
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