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これは僕がいってるんじゃなくて、松井孝典がいってるんだけど、“文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ”なんだそうだ。 “女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪です”って。 男は80、90歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む力はない。 そんな人間が、きんさん、ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害だって……。 なるほどとは思うけど、政治家としてはいえないわね(笑い)。 ・ 【出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ババア発言 より、抜粋引用させていただきました】 |
この発言は、2001年に当時東京都知事だった石原慎太郎氏が発した、いわゆる「ババア発言」として社会的問題となりました。
オノレも超が付く糞ジジイのくせに石原氏は松井先生の本意とは全く違う自己流解釈で、何ら関係のない当時の日本社会の人気者であった百寿者の姉妹きんさんぎんさんまで貶めてしまいました。
亡くなった方を悪く言いいたくはないですが、この石原氏は水俣病患者やALS患者などに対する差別発言を懲りずに続けてこられた輩でございましょう。
ババア発言した石原氏こそ単なる「老害」に過ぎないといっても過言ではなく、言い足りないくらいです。
そう言えば「東京都知事、ババア」繋がりと言えば、TVドラマで「意地悪ばあさん」を演じた青島幸男氏も東京都知事でしたね(苦笑)
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日本のコミックソング 50 青島幸男先生
「意地悪ばあさんのテーマ曲」
【動画出典;哀愁の昭和ソングチャンネル より共有埋込コードにてリンクさせていただきました。】
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ウイキペディアによりますと、「ババアは無駄で罪だと松井が言っていた」と石原氏に勝手解釈引用されてしまった宇宙学者の当の松井先生は石原氏のババア発言について「最初にそう思い込んじゃったんじゃないの? 会ったのは1回だけだから、僕もよくわかんないよ」と困惑されていたそうです。
「石原氏の発言を見ると、私の言っていることとまったく逆のことだからね。私はこういう言い方はどこでもしたことはないし、おばあさん仮説という理論を私はいろんなところで話しているから、それを見てもらえば分かるでしょう。」
そうなんですよね。
惜しくも本年2023年にお亡くなりになられた松井先生こそが「おばあさんが存在することで現生人類は世界中に散らばり、文明が発達した」とする「おばあさん仮説」の提唱者のひとりだったのです。
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≪松井孝典先生の解説≫ 農耕牧畜が一万年前に始まった理由は、ほかにもあるはずです。 気候変動だけなら、それ以前にでもあったはずだからです。 今生きている我々以外の、ほかの人類が農耕を始めてもいいわけです。 しかし、実際に農耕を始めたのは我々現生人類だけです。 したがって、我々の側にも何か理由があるはずです。 その理由は二つ考えられます。 一つは、現生人類が生物学的な意味でほかの人類や類人猿、哺乳動物と決定的に違う点です。 それは"おばあさん"が存在するということです。 "おばあさん"とは、ここでは生殖年齢を過ぎたメスが生き延びている状態を表すことにします。 哺乳動物でも、サルでも、類人猿でも、メスは子どもが産めなくなると、それから数年ぐらいで死んでしまいます。 一方オスはいつまでも子どもをつくれる能力がある。 したがって、おじいさんは存在します。 自然の状態では、哺乳動物にも、サルにも、類人猿にも、おばあさんは存在しません。 どういうわけか現世人類にだけ、おばあさんが存在するのです。 おばあさんがいると何が違うか。 一つはお産が安全になることです。 加えて、娘が産んだ子どもの面倒をみたりする。 このため、メス一個体当たりの出産数が増え、群れの個体数増加につながるわけです。 人口増加です。 人口増加が起こると、ある地域で生きる人の数は決まっていますから、地域を移動するという圧力になり、新天地へ散っていきます。 このため、現生人類は「出アフリカ」と呼ばれるような行動をとるわけです。 十数万年前アフリカに誕生した現生人類が、人口増加にともなって世界中に散らばる。 これが、我々が何故、人類圏をつくって生きるようになったか、一つの理由です。 ・ (NHK人間講座 2002年12月~1月 「宇宙からみる生命と文明」 より) |
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【動画のポイント】
●お産を経験した人(おばあさん)が生きていると、安全に出産するための情報が伝わり人口が増える
●おばあさんが子供の面倒をみるので、(娘世代が)次の子供を出産する期間が短くなるため人口が増える
●狩猟採集民であったホモサピエンスが世界中に広がったのは人口増加による影響であろう
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ホモサピエンスだけが農耕牧畜を開始し文明社会を産み出すことができた一因として提唱されるのが「おばあちゃんの存在」すなわち「おばあさん仮説」・・・・・
私の解釈を許して頂けるなら「おばあちゃん=分業」であると考えています。
つまり、現代社会における「おばあちゃん効果」とは、「世の中全体で子育てに関わる人や情報やシステムがバックアップして豊かな子育てを実現すること」で、ありましょう。

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【プレジレントオンライン 2023.9.4】 ・ ●なぜヒトの女性は、50歳前後で閉経した後も30年以上生きるのか。 進化学の世界ではその理由の一つを、おばあちゃんは若い世代の子育てを手伝うなどの役に立つからだとしています。これを「おばあちゃん仮説」といいます。 ●子育てに大変な時間と労力がかかるようになっって子育てを手伝う、孫の世話をするという使命を担う必要が生じました。結果、ヒトは老後の人生を生きることになったんです。 これは男性(おじいちゃん)も同じだと思います。 ●シニアが社会基盤を整えて、そのうえで若い人が自由にイノベーティブに生きる。 そういう2層構造があるからこそ、人間の社会は高い生産性を達成でき、発展していくのです。 ・ ・ ・ 【朝日新聞GLOBE+ 2023.3.10】 ・ ●シャチとごく一部のクジラの種は、人間を除けば、閉経がある唯一の哺乳類だ。 ●30歳をすぎたオスの母親が死ぬと、1年以内にそのオスが死んでしまう確率は通常より8倍も高かった。 ●メスは生涯で4、5頭の子を残すことが多い。一方、オスには20頭以上の子孫をもうける能力がある。だから、母親からすれば、閉経前の年齢であっても、一家の個体数を増やして繁栄するという意味では、息子の世話をする方が、娘もしくは自身の面倒を見るより大きな成果を上げる可能性があるということになる。 ・ |
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「おばあさん効果」でヘルシー&テイスティを訴求した一例?
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バターの脂肪の旨味が、ザラザラした全粒粉に染み込んで美味い! このパンは、余計な繋ぎがはいっていないせいか、ポロポロ崩れやすいけど、食物繊維たっぷり全粒粉なので、よく噛んで食べなければならず、それイコール、腹持ちが良かったりします。 優しいお祖母さんから可愛いお孫さんへ・・・・ 食物繊維たっぷりの有機全粒粉パンを、しっかりと伝えていくことで腸内環境を整えましょうという意味なのか? とても微笑ましいパン袋の訴求デザインでございましょう。 ・ |
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と・こ・ろ・が。。。。。だ!
現生人類が閉経後も長生きするのは、子や孫の面倒を見るためだとする「おばあちゃん仮説」に対して、異論と言うか再考を促すような最新の研究論文が発表されたようです。
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【共同通信社 2023.10.28】 ・ 野生のチンパンジーも人間と同様に閉経し、その後も相当の期間生き続けることが分かったと、米カリフォルニア大などのチームが27日付の米科学誌サイエンスに発表した。 アフリカのウガンダで21年間観察した成果。 閉経はシャチなど海の哺乳類の一部にあり、霊長類では飼育下という特殊な環境でチンパンジーにも見られるが、基本的には人間だけとされていた。 閉経は生殖の機会を巡って自分の娘と競合することが避けられ、孫の世話に力を振り向けることで孫が生き残る確率が高まるため、進化の過程で獲得されてきたとする「おばあちゃん仮説」が有名だ。 しかしチンパンジーのおばあちゃんは子育て中の娘と一緒に暮らしたり孫を世話したりはしないといい、閉経の意味合いについて再検討を迫る結果となった。 |
当シリーズ「ヘルシー長寿研究会」では、「高齢化」&「少子化」そして「多死社会」を迎えていく時代の中で、どのように「ヘルシー&長寿」を過ごしていけばいいのか調べて、読者の皆さまとお役立ち情報などを共有できたらと考えて記事作成してまいります。
なお、過去の「ヘルシー長寿研究会」の記事につきましては、以下リンク先のまとめサイトや関心を持たれた各タイトルのページをご覧くださいませ。
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「おばあちゃん効果」
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