厚生労働省公表によりますと、昨年2022年の日本人の平均寿命は女性87.09歳、男性81.05歳となり、ともに2年連続で縮んだことが簡易生命表で判明しました。
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日本人の平均寿命 2年連続で縮む
「新型コロナの影響大きい」厚労省|
【動画出典; TBS NEWS DIG Powered by JNN より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました。】
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厚労省によりますと、平均寿命が2年連続で縮んだのは、新型コロナウイルス感染による死者の増加などが影響したと分析しているようです。
新型コロナ関連の死者数は22年は4万7635人で、前年の1万6766人の約2・8倍に増えています。
ただし、今後の平均寿命の動向について厚労省は「今後も平均寿命が下がり続けるとは考えていない」とされています。
さてはて、少子高齢化多死社会を迎えた現在、これからの平均寿命は「伸びるのか?」「縮むのか?」
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日本は経済成長にともない国民の多くが中流階級となった時代に、長寿世界一になりました。 ですが、バブル崩壊後は、寿命の延びるペースが頭打ちです。 2016年時点で日本人の平均寿命は、男女ともに世界2位ですが、男性は、イタリア、スペイン、オーストラリア、スウェーデンといった国が急速にキャッチアップしてきました。 近いうちに、日本はこうした国々に追い抜かれてしまうのではないかと危惧しています。 ・ 【出典; 日本が「長寿大国」と言えなくなる日。ハーバード大教授に聞く、深刻すぎる理由 より、抜粋引用させていただきました 】 ・ ・ 平均寿命の上位5カ国 〈女性〉 ①日本 87.09歳 ②韓国 86.6歳 ③スペイン 85.83歳 ④オーストラリア 85.41歳 ⑤スイス 85.4歳 ・ 〈男性〉 ①スイス 81.6歳 ②スウェーデン 81.34歳 ③オーストラリア 81.30歳 ④日本 81.05歳 ⑤ノルウェー 80.92歳 ・ ※厚生労働省の資料から。 日本は2022年。他は15~22年 |
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統計によりますと2022年時点の平均寿命の日本の順位は、女性第1位、男性第4位となっています。
ただし「健康格差」問題の世界的権威といわれるハーバード大学大学院のイチロー・カワチ教授が危惧されていたとおり、男性の順位は他国にどんどん抜かれて下降しているようです。
カワチ先生はなぜ「日本が長寿大国と言えなくなる日がやって来る」と警鐘を鳴らしておられるのか?
カワチ先生のインタビュー記事から抜粋引用させていただき、「これからの平均寿命や健康長寿」について考えてみました。
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■日本でも近年は所得や雇用の格差が拡大していて、子どもの相対的貧困率はOECD平均を上回りました。 また、労働者に占める非正規の割合は4割に迫っていて、終身雇用で職が安定している国というイメージもガラリと変わりました。 それが将来の寿命にも負担をかけるのではないかと懸念しています。 ■人々や組織間のつながりを「資源」として捉える概念を、「ソーシャル・キャピタル」(人の絆)という。 日本では、伝統的に組織や地域の「ソーシャル・キャピタル」の力が強く、社会が抱える様々な問題を「助け合い」で解決してきました。 私は、日本人が長寿であり続けた大きな理由に、この「ソーシャル・キャピタル」があると考えています。 でも近年、日本ではこの力が急速に衰えています。 その大きな理由が、やはり格差の拡大です。 社会的な格差が広がると、社会との摩擦や、人と人との軋轢{あつ・れき}が生じて「ソーシャル・キャピタル」がすり減ります。 その結果、地域や社会の「助け合い」の力が弱まり、その結果、持てるものと持たざるものとの間で「健康格差」が生まれ、その差はどんどん広がっていきます。 ・ 【出典; 日本が「長寿大国」と言えなくなる日。ハーバード大教授に聞く、深刻すぎる理由 より、抜粋引用させていただきました 】 |
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今から6年前2017年時点でのインタビューですが、カワチ先生が心配し警鐘を鳴らされた内容は、何と2023年の日本においてほぼ的中し、予言どおり、どんどん悪い方向に進んでいることに身震いしてしまいます。
感染症大流行の影響も相まって日本の「健康格差」問題は、所得格差、非正規雇用の増加、子どもの貧困などの問題とも重なっており、それが「人の絆(ソーシャル・キャピタル)」をすり減らして、急速に日本社会に様々な軋轢を生んでいることは、もう懸念ではなく「現実」となってしまいました。
人材不足、超物価高、実質賃金マイナス、インボイス、格差が分断を呼ぶ「陰気スパイラル時代」に突入してしまいました。
これからは、老朽インフラ故障、荷物が届きにくい、修理も時間がかかる、サービスも悪くなる、等、益々全国民が消耗戦に入ってしまうでしょう。
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格差社会はすべての人の健康に悪い
●日本が長寿であることの主因は、相対的に格差が少ないから。 ●格差社会は治安が悪化するので、金持ちの健康にも良くない。 ●安心して街も歩けない環境で暮らすと、健康どころではなくなる。 ●累進課税や資産課税を強化して再分配することで良い社会になる。 【動画出典; 勝間和代が徹底的にマニアックな話をするYouTube より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました。】 ・ |
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日本が長寿国であることの原因として「格差が少なく治安が良いから」とされる勝間先生。
なぁ~R程、さもありなん、分かりやすく明確な分析でございますね。
来日外国人が日本について印象を聞かれた場合に「治安が良い」「電車が定刻に来る」「人が親切」などの意見が多いという印象があります。
「均等教育」「水道水が飲める」「荷物がちゃんと届く」「ほぼ平等な医療サービス」・・その他、社会インフラの充実によって、健康で文化的な生活が過ごせるようになっています。
社会インフラの充実、それすなわち、相対的に格差が少ない社会の中で人々の個々の仕事が成り立ってきたからでありましょう。
と・こ・ろ・が。。。。だ!
今や時代は大きく変わって、日本人一人ひとりの生活力はどんどん衰えて、「人の絆(ソーシャル・キャピタル)」の力、つまりカワチ先生の懸念通り「助け合い」の力が急速に弱まっているのが現状でございましょう。
税金は、人々の生活力向上のために使われることは少なく、外国へのお布施、軍事費増大などに多く使われようとしています。
実質賃金マイナス、生活必需品など物価高騰、人手不足、熟練技術の劣化、コンプラ個人情報保護による監視システム強化、さらに、で、ある。
納期がのびる、荷物が届かない、修理ができない、火葬場不足、バス運転手不足による路線廃止、水管や道路が更新されない、買い物難民増加・・・・・・・
銀行店舗が減る、百貨店が減る、個人商店が減る、フリーランスが減る、自治会減少、子ども会消滅、商店街が死に絶える・・・・・
人々の多様性や助け合いの弱体化に伴う社会インフラの劣化は、生活環境も悪化し、平均寿命もすぐには短くはならないにしても、いずれ他の国に追い抜かれて順位を落としていくという事は、あるかもしれません。
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【関連動画など】
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ノーベル賞学者の警告
【動画出典; BBC News Japan より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました。】
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止まらない物価高で“教育格差”拡大の懸念
3月家計調査で教育費が16.7%減少
「習い事やめようか」
当シリーズ「ヘルシー長寿研究会」では、本年2023年においても「高齢化」&「少子化」そして「多死社会」を迎えていく時代の中で、どのように「ヘルシー&長寿」を過ごしていけばいいのか調べて、読者の皆さまとお役立ち情報などを共有できたらと考えて記事作成してまいります。
なお、過去の「ヘルシー長寿研究会」の記事につきましては、以下リンク先のまとめ記事のページをご覧くださいませ。
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「スーパー百寿者の食事」
「長寿健康食の琉球料理」
「おばあちゃん効果」
「コロナ禍でのご高齢者の健康対策」
「健康長寿3つの柱」
「宇宙医学と健康長寿の応用研究」
「高齢期就労と健康の関係性」
「偉人に学ぶ健康長寿」
「寝たきりも良しと考える」
「目指せ!優しいお爺ちゃん」
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など、ヘルシー長寿に関するお役立ち情報が満載されています。
ぜひぜひお読みくださいませ。
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