「自然じゃないものを食べるからニンゲンは病気になるんだ!」
「自然じゃないものとは”炭水化物”だ、人間は食べちゃアカン!」
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釜池先生にとっての「自然」とは・・・・・
それすなわち
「炭水化物のない人生」
「ほぼ肉食のみの食生活」
講演会では、その実証例として釜池先生自らの南国の離島での生活が語られてきた。
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南国の離島とは「田んぼのない島、人間より牛(肉)が多い島」=「炭水化物がない」=「自然な生活」という釜池先生のご主張だ。
あいや、もはや主張という生易しいものではなく、釜池先生の生きざまであろう。
講演では、島にいる鳥や虫やトカゲなどの野生生物、釜池先生が飼っている犬や山羊との微笑ましい触れ合いが語られてきた。
飼っているヤギの出産や子育て、フンの様子、そして食うためにヤギを殺した後は、死体や解体した部位などの画像がスクリーンに映し出された。
つまり釜池先生のペットのうち、犬は仲間(子分)、そして山羊は肉の塊(食材)ということなのだろう。
釜池先生は、食われる立場(草食獣)ではなく、食う立場(肉食獣)で、食材、消化、排せつ物を語っている。
極論すると釜池先生の今回の講演内容は「人間は肉食動物だ!」とのスローガンとも言える。
質疑応答コーナーで、最初の質問者の「糖質は一生摂っちゃあダメなんですか」との問いに対して「人間の食うものではない。糖質は一生食っちゃあアカンのや!」とご教示された。
「俺は糖質を食わない」ではなく、困ったことに「人間は糖質を食っちゃあアカン」なのである。
頭ごなしに大声で怒鳴るから、会場にお越しいただいた一般聴講客の理解と賛意を得られるのは簡単ではない。
糖質制限に狂っていた当時の私でさえ、Youtubeで見たこの講演には困惑した。
ただし、医者を廃業したと講演の冒頭で説明されているので、釜池先生は今や医療行為や一般社会や責任から解放された「無敵の人」であり、聴講者としてもそれを理解して飲み込んで、講演内容に集中するしかない。
なかなかにシンドイ講演の聴講だったと思う。
しかし、釜池先生はウロウロ舞台を動き回るし、突然目が覚めるような大音声を放ったり、南国の離島の生活模様がスクリーンに映し出されたりという変化や展開があるので、それなりに飽きずに集中できるとも感じる。
「医療は犯罪や、医者は詐欺師や!」
「何、この田んぼ?潰してしまえ。」
「山羊は殺す。俺が食うために。」
・・・まあ、聴講者としても、ご主張は分からなくもないだろうが、あまりに刺々しく敵意むき出しで怒気さえ孕んだ変な緊張感が続く忍耐のいる釜池先生の講演に、複雑な思いもあっただろう。
「ご主張は分からなくもないが、何も山羊の死体画像まで見せることはなかろう」というのが、大半な一般人の思いであろう。
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さて、最初の質問では、釜池先生の著書を読んで減量に成功したという女性が、長期的な糖質ゼロの実践について問うたことに対して釜池先生は「糖質は一生摂っちゃあアカン」と即答された。
「長期的な偏った食生活が及ぼす健康への影響」についての、けっこう重要なテーマだが、今や無敵の肉食獣と化した釜池先生に、これ以上深掘りして問うわけにはいかないので、これはこれで良いだろう。
≪質疑応答その2≫ ・ 質問者B(男性)「あのぅ・・ヤギのフンは分かったんですが、先生のフンはどうなってるんですか?」 会場の反応「ドッ!(大爆笑)」 質問者B「(糖質ゼロによって排便は)どういう変化があったのか、腸内細菌との絡みで・・・」 釜池先生「もちろん、(私のウンチは)犬のフンと同じです。ヤギのフンや鹿のフンではありません。犬のフンです。」 質問者B「・・・・・・・」 釜池先生「牛のフンでもありません。犬のフン。それもキッチリしたものを食うてる犬のフンです。」 (筆者注;糖質が含まれるペットフードではなくて、骨付きの肉を食べる犬のことだろう) 質問者B「下痢も便秘も、なし、で、ですか?(笑いながら)」 釜池先生「時に、ね、酒を飲みすぎたりして・・・」 会場の反応「わはは!!(大爆笑)」 釜池先生「これは、俺が、唯一”不自然な事”をしているのが、アルコールだけど。」 会場の反応「うひゃひゃ!!(大爆笑)」 釜池先生「だけど、今日きっちりとした形のある便を、困難なく、2回しました。」 会場の反応「・・・・・・・・」 釜池先生「便秘はあったとしても、年に1回か2回、それはトイレに行くタイミングを間違ってしまったときだけやな」 ・ |
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「草食獣(ヤギ)のフンの事は分かった。じゃ糖質ゼロ実践者の釜池先生のフンは?」
・・・という笑いながらの男性の質問。
それにしても、ヤギなら「フン」で良いが、釜池先生には「便」という単語でご質問したら良いのではと思ってしまう(笑)。
しかし、釜池先生は「自称、肉食獣」なので「フン」で良いのかもしれない。
一歩間違えれば、鋭利な剃刀のようにキレやすい短気な釜池先生を激怒させることにもなりかねない、捉えようによってはフザけたようなウンチの質問だ。
ご主張や体面を守りながら、キレやすい釜池先生から笑顔を引き出して、なおかつ、会場全体の雰囲気も明るく楽しいものに変えてしまった、第二の質問者である中年男性は、天才であろう。
釜池先生が答える前に、会場が「どっ」と大爆笑に包まれたので、それにも後押しされたのだろう、釜池先生はご自身の「便通」について、以下のように、身振り手振りを交えて楽しくご回答されている。
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「私は毎日(排便が)きっちりあるから、1日なかっただけで固まり過ぎるが、いわゆる便秘とは違う」
「もう、ここ(肛門)まで(便が)来てるんだけど、肛門の膨張部に溜まって出ない場合には、(お尻に手を当てるゼスチャーを交えて)便掘りをしている」
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「腸内細菌との絡みは?」との質問者の重要な問いには、全くお答えにならなかった釜池先生。
糖質ゼロで肉食メインであり、犬のフンと同質であるという釜池先生のウンチは、1日出なかっただけで固まり過ぎるという。
その場合には、指を突っ込んで便をほぐすとう「便堀り」をしていると説明された。
便秘ではないとおっしゃるが、指でいちいち肛門からウンチをほぐし出すなんて、これは便秘より酷いのではないかとも言える。
つまり解釈は自然に導き出された。
「炭水化物食わずに腸内細菌と喧嘩しているから便が硬くなりすぎて、指でほじくり出す必要がある」と。
先生の便は犬のフン同じと言われるが、犬は便堀りなどしないであろう。
先生ご本人が「フンは犬と同じ」とおっしゃられているが、それでは困るだろう。
少なくとも釜池先生は「人間」なので、腸内細菌は犬とは全く異なる。
食物繊維を含む炭水化物を摂らない釜池先生は、大腸に暮らす100兆もの腸内細菌の皆さんも敵に回してしまっておられる。
医療や医者や炭水化物を摂取する一般社会を批判する、そのご高説は十分承った。
「人間は、一生、炭水化物食うたらアカンのや!」
そのご主張や良し、医療や世間に背を向けて生きるのも良いだろう。
しかし、人間が「1個体」として生きていくには、人間だけが消化できる食生活のみあらず、で、あろう。
腸内細菌の皆さんと喧嘩したらアカンだろう。
腸内細菌が摂取する食事も忘れてはならない、と、強く思う。
腸内細菌との共生なくして健康的な生活を営むことは困難であることは、今や常識であろう。
糖尿病発症して糖質制限に夢中になっていた2016年当時、私が参照とした、いわゆる糖質制限推進派医師たちの主張、著作、講演には「腸内細菌」に対する言及は一切なかった。
ただただ「血糖値うんぬん」のみで糖質制限の有用性を語っていたに過ぎないといっても過言ではない。
しかも、令和新時代に入った2023年現在の今でも、糖質制限推進センセ方は腸内細菌との共存について語ることはない。
しかも、釜池先生が表舞台から去ったのちに、後進医師どもが医師の分際で「ダイエットに効果」と煽り立ててきたことは、日本社会全体の健康問題にとって大きな不利益となったことは、もう紛れまない歴史の事実である、と、私は控えめに評価している。
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た・だ・し。。。。で、ある。
当シリーズ「釜池物語」は、糖質制限の良し悪しではなく、偏っていても結果としては間違っていても長く続けては危険だとしても、何かを始めるには狂気と熱気が必要かもしれないというテーマを主に描きたいので、これ以上は釜池先生のウンコについての言及は避けようと思う。
なお、肉食と便の関係について解説している記事を以下にご案内したので宜しければご参照願いたい。
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「ウンチ博士」として知られる辨野腸内フローラ研究所の辨野義己理事長は「肉だけを食べ続ける調査ではビフィズス菌が4分の1も減り、悪玉菌が2倍近くに増加した。腸内バランスを整えるには、しっかり野菜をとることに加えて、ビフィズス菌を増やす効果のあるオリーブオイルや緑茶がおすすめだ」という 【出典;PRESIDENT Online(2022.12.16)より】 ・ ・ 肉中心の食生活によって腸内で悪玉菌が増えると、発がん促進物質や発がん物質が作り出されます。 さらに腸内環境が乱れることで免疫力も低下するので、大腸にポリープやがんのできやすい状態になってしまうのです。 腸内環境を改善することは、大腸がんリスクの低下に関係があるといえるでしょう。 【出典;朝日新聞Reライフnet(2020.03.23)より】 ・ ・ 肉や油の摂り過ぎた時の大便は、覆われる粘液が少なくなり肛門のまわりにべっとりと付くことが多くなります。 食事の内容によって大便の出来ばえも変わってきます。 大便の硬さは練り歯磨きのような軟らかめを目指すことをお勧めします。 【出典;四日市羽津医療センター(2022.08更新)より】 |
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さて、「医療は犯罪や」と突然大音声を放ったり、山羊を殺害した画像を見せて「残酷や思うたらダメだぞ、皆さんも食ってるやないかい!」と壇上から怒鳴りつけたりする、釜池先生の講演。
かなりの緊張と困惑と忍耐を強いられてきたであろう会場の聴講客の皆さんであったが、第二の天才質問者による「釜池先生のウンコはどうなっているの?」によって、張り詰めていた緊張が一気に解けて、なおかつ釜池先生も激怒されることもなく嬉々として楽しくお答えになられた。
会場も笑いの渦に包まれて、良い雰囲気となった。
このままエンディングを迎えれば、「ま、怒りっぽい先生だったが、ご主張も一理あるかな」とまあまあ前向きな感想を持つ人も多かっただろうし、この講演会Youtubeを視聴した多くの人も同様の感想を持つだろう、と、思う。
と・こ・ろ・が。。。。だ!
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≪質疑応答その3≫ ・ 質問者C(男性)「あのぅ、最後に、こういう世界では、肉食ってると酸性腐敗便になって・・」 釜池先生「!!!!!!!!!!!!!!」 |
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この質問で、釜池先生が大激怒!!
終盤にきて、ようやく暖かい雰囲気となっていた講演会場が一転、明らかに「ピリピリ」した緊張に包まれてしまった。
釜池先生の凄まじい怒号が響き渡るラストの質疑応答の様子は、次回★第16話★でレポートさせていただくことになる。
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・ 【スリムちゃん;ミニコラム】 腸内細菌にもご馳走を!! 昔から「腹持ちが良い」・・・という言葉があります。 腹持ちが良いとは 「よく噛まないと消化できないものを食べている」 「小腸では吸収されず未消化まで大腸に届いている状態」で、あろうかと思います。 長時間お腹が減らない・・・と感じるのは「ヒトとしての僕や私」というよりも「大腸に暮らす腸内細菌の皆さん」が食事中である状態ではないでしょうか。 つまり「未消化の食物繊維をゆっくりまったりと腸内細菌の皆さんが食べている状態」、すなわち「腸に食物繊維などが残っている状態」であろうと、スリムちゃんは推察します。 糖質(食物繊維が少ない炭水化物)や肉や魚などのたんぱく質脂質、そしてそして現代文明で製品化された「糖質と動物性たんぱく脂質が加工された工業食品」に片寄った食生活であれば、すべて小腸で吸収されてしまっているので、「カラダ全体で食物が全く残っていない状態」と言えましょう。 この状態が「食事はしっかり朝昼晩摂っているのに、すぐにお腹が減ってしまう」と考えるならば、「腸内細菌がご馳走とする栄養素である食物繊維の不足」でありましょう。 つ・ま・り。。。。は、です。 食物繊維が含まれた食物が少ないかほとんど摂取しない場合は、「僕や私」つまり「ヒト」が食物をすべて小腸で吸収するので「その奥の大腸に暮らす腸内細菌の皆さんがお腹が減って困っている状態」でありましょう。 「炭水化物が人類を滅ぼすんだ!」 「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」 「断糖すればガンは99%治る、鬱も治るんだ」 「体の不調は糖質過剰および栄養不足のせいなんだ」 「肉玉子チーズを30回噛んで食え。便秘は気にするな」 ・・・・と、このように、とにかく「炭水化物」を徹底的に悪者にした医者たちは、食物繊維を豊富に含む炭水化物さえ目の敵にしているので、「腸内細菌の皆さんと共存する気がない」愚かな連中だと言っても、過言ではなく言い足りないくらいです。 もちろん、血や骨を作る素となる「たんぱく質」や、人体運営をスムーズにする「脂質」もしっかり摂取しなければなならいことは、もう今更言うまでもありません。 だからと言って、医師免許を持ちながら「炭水化物は人類を滅ぼす」とかいった極めて頭が悪くて、故意悪意さえ感じる極端な発言を繰り返している輩どもは、本当に性質の悪い連中です。 糖質そして動物性たんぱく脂質、さらにこの2つ(糖質+動物性たんぱく脂質)を組み合わせた「精製工業食品」の過剰摂取こそが健康に良くないことは、今や世界中で広く知られていることであります。 「腸内細菌をないがしろにした炭水化物悪者論」を著作やマスコミを通じて垂れ流して、ましてや「驚異のダイエット法だ」「誰でも簡単に痩せられる。痩せないわけがない」と、日本人の「痩せ願望」にまで、「医師が著作やブログや講演」で言及してきた「平成を通じてのご高説」は、日本人全体の健康にとって大きなマイナスとなり、万死に値する「医療行為」であったと言えましょう。 食物繊維を多く含む炭水化物さえ「糖質制限という名の下で」敵対視し摂取を極端に控え、そしてそれを補うために「たんぱく脂質食だ」「MEC(肉玉子チーズ)食だ!」「プロテインだ!EAAだ!」とばかりに、たんぱく質脂質をたっぷり摂取する極端な糖質制限の長期的かつ日常習慣的な実行は、「腸内細菌が飢えて困るから」腸内環境を悪化させる腸疾患のみならず、体脂肪の蓄積や脂肪肝、糖尿病、高血圧の発症などの生活習慣病、がんや免疫機能の低下をもたらすという研究結果や科学的解明が数多く報告されてきているようです。 ま、シンプルに考えますに、未消化で大腸に届く食物繊維を豊富に含む炭水化物を食べないと「腸内細菌の皆さん」は飢えてしまう、ゆえに「僕や私も不健康になる」ということでしょうな。 すぐにお腹が減る人、つまり現代人は食物繊維不足の腸内細菌の飢餓により「腹持ちが良くない」と言えるのではないでしょうか。 現代文明人の腸内細菌の多様性や数の激減は今や絶滅危惧種のリストに載せても良いくらいだと言われるくらいに、食物繊維不足の問題が懸念されているようです。 とりわけ過剰に加工された「精製糖質+動物性たんぱく脂質」ばかりの食事によって、1000兆ともいわれる腸内細菌の住人ご一同の健康と安全が確保されないならば、すなわち「僕や私つまり人体の健康」にとっても良いわけがありません。 「3食きっちり食べているのに、すぐお腹が減り、また食べてしまう」 ・・・・という場合には、一度自分のお腹まわりを触って考えてみようと思います。 「僕が、私が、腹減っているのか?」否、そうではなく・・・・・ 「腸内細菌の皆さんが、腹減っているではないか」・・・と。 スリムちゃん読者様である「僕や私」は、食物繊維が豊富に含有された炭水化物をしっかり食べて、「腸内細菌の皆さんと楽しく共存」していきましょうぞ! ・ ・ |
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「炭水化物が人類を滅ぼす。糖質制限は驚異のダイエット法だ」などの主張は、正直言って人類史上最低最悪レベルのアタマの悪い戯言である。
しかし、当特集記事で語りたい問題の本質はそこではない。
糖質制限のメリット・デメリット以前に、「とことん糖質や炭水化物を悪者に仕立てた凄まじい煽りのエネルギー」は「多くの人々の人生を変えた」という話である。
つまり、人生を変えたり生活習慣を見直すためには、「極論」や「偏り」や「思い込み」が必要な人が多いのではないか?
釜池先生や夏井先生の著作やご発言に衝撃や影響を受けて、「糖質制限」というフレーズを通じて、オノレの人生を、健康を、見直して立て直していく起爆剤となった人も無数にいるのだ。
その中の一人に、間違いなく私も存在する。
当特集「★釜夏物語(ボクの糖質制限狂時代)★」は、賛成反対かかわらず”糖質制限”を通じて・・・・
「人生や健康について、一度立ち止まって考えなおすきっかけを作ってくれた」
「賛成反対含めて色々な広い考えを持つ事ができた、イマジネーションを掻き立てられた」
という意味での、糖質制限第一人者の釜池先生そして推進者の夏井先生について愛を込めて記事を書き進めていく物語です。
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