3年前の2019年から特集している「ヘルシー長寿研究会シリーズ」
本年2022年で4回目の連載となっています。
【100歳以上の高齢者数】
2019年「71,238人」
2020年「80,450人」
2021年「86,510人」
2022年「90,526人」
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1963年時点で153人だった日本の100歳以上人口は、59年後の2022年には9万人を超えました。
一方で厚労省の発表によると
「今年(2022年)100歳になった人は、45,141人」
つまり「100歳以上の人口(90,526人)のうちの半数が、100歳なりたてほやほや」ということになります。
昨年2021年の100歳以上人口86,510人に本年100歳になった人口45,141人を足すと、合計131,651人となりますが、本年2022年の100歳以上人口は90,526人なので、単純に引き算すると41,125人の方が亡くなっておられる計算になります。
2020年の国勢調査では100歳を迎えた人のうち、約92%の方が105歳までに亡くなっておられます。
百寿者の中でも110歳まで到達される方をスーパーセンチナリアン(Supercentenarian)と呼びます。 何がスーパーかと言うと、単に寿命が長いということだけではなく、多くのスーパーセンチナリアンは100歳時点でも自立した生活を営まれており、健康寿命が100歳を超えています。 まさに健康長寿のエリートと言えます。 なぜ、100年もの長い間、かくしゃくとして生活してこられたのか、ぜひその秘訣を明らかにしたいと考えていますが、なかなか難しいのです。 それは110歳まで到達する方は極めて稀少で、実際に調査のご協力をいただける方がとても少ないのです。 【百寿者、超百寿者、スーパーセンチナリアンの総人口に対する割合(2020年国勢調査)】 ・ 百歳以上の方の総数が79,523人であるのに対し、スーパーセンチナリアンはわずか141人です。 人口約90万人に一人の極めて稀少な集団であることがわかります。 ですからスーパーセンチナリアンを見つけること自体が大変難しいのです。 そこで、私たちは105歳以上の超百寿者(semi-supercentenarian, SSC)に注目しました。 東京百寿者研究の結果から、超百寿者の方は100歳時点のADLが高いことがわかっていましたので、超百寿者の方を追跡調査すれば、110歳に到達する方も出てくる可能性があります。 【出典;慶應義塾大学医学部 百寿総合研究センター 全国超百寿者研究 より、抜粋引用させていただきました。】 |
上記引用記事によりますと、105歳以上(超百寿者)生きる人の数は大変少ないが、同時にADL(日常生活動作)が高い人つまり健康長寿者の割合が高いことがわかってきていると書かれています。
現代社会の衛生環境や栄養状態の向上や医療技術の発達で100歳以上生きる人は増えてはいますが、105歳以上生きるためには、やはり「健康寿命」を伸ばすことがとても重要なのでしょう。
日常生活動作(ADL)とはActivities of Daily Livingのことで、 ADLのAはアクティビティー(動作)、DLはデイリーリビング(日常生活)を指します)。 日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作で、「起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」動作のことです。 高齢者や障害者の方の身体能力や日常生活レベルを図るための重要な指標として用いられており、リハビリテーションの現場や介護保険制度ではひとつひとつのADL動作を「できる・できない」、「どのような、どのくらいの介助が必要か」、「できるADL・しているADL」などの項目で評価します。 日常生活動作(ADL)が低下すると、活動性が低下して、社会参加の機会も少なくなります。 生きがいや役割を見いだせなくなると家に閉じこもりがちとなり、身体的、精神的にも機能が低下していきます。 心身の機能が低下すると日常生活動作(ADL)がさらに低下し、自立度も下がり、介護が必要となって、やがては寝たきりとなってしまいます。 【出典;健康長寿ネット 自立生活の指標:日常生活動作(ADL)とは より、抜粋引用させていただきました。】 |
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【画像出典;スリム鳴造蔵書「文藝春秋2016年6月号(百歳まで生きる)」】
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3年前、ヘルシー長寿研究会(3.スーパー百歳の皆さん)【2019敬老の日】 において、「文藝春秋2016年6月号(百歳まで生きる)」に特集されていた「スーパー百歳が実践する健康法」という記事内の5人の100歳超えの皆さんのことを書きました。
2016年当時、健康で100歳以上をお過ごしになられていた5人の皆さんは、6年後の現在、無事「超百寿者(105歳以上)」の人生を元気でお過ごしでしょうか?
「どうか、皆さん達者でお元気でお過ごしでありますように」
・・・と、少しドキドキしながら、ウイキペディアやGoogleなどで検索して調べてみました。
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1.陸上現役選手、宮崎秀吉さん(当時106歳) ●100m走と砲丸投げの105歳~109歳の部で世界記録を打ち立てギネスブックに登録された。 ●マスターズ陸上に出場したのは92歳のとき。それまでの人生では本格的なスポーツとは縁なし。 ●食事は、朝食「トースト、薄切りのハム、牛乳、トマト、ブロッコリーなどの野菜、バナナ、こしあん」 昼食「夏はそうめん、冬はにゅうめん、たまにはインスタントラーメン」 夕食「週5日は牛肉」 ●長生きの秘訣「よく噛む事。一口入れたら30回は噛んでトロトロにする」 【動画出典;KYODO NEWS より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました。】 ・ |
2019年1月23日、脳出血のため死去。108歳没。
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2.現役水泳選手、長岡三重子さん(当時102歳) ●女子1500m自由形100歳~104歳の部にただ一人出場。保持する世界記録は25種目。 ●水泳を始めたのは80歳。夫の経営する卸問屋引き継ぎで94歳まで1人で切り盛り。 ●食事は、朝食「刺身。ブリが大好物」夕食「すき焼きかカルビ焼きの牛肉」 ●その他「豆料理、回転ずし、肉うどん、スティックシュガー3~5本入りの甘いコーヒー」 ●長生きの秘訣「時間をかけて食べる。よく眠る。」 ・ |
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3.銀座の有名カフェ店主、関口一郎さん(当時102歳) ●銀座で珈琲店を経営してから68年。週に4,5日は出勤してコーヒー豆の焙煎を手がけている。 ●甥の運転するスクーターの後部席で甥の背中にしっかりつかまって通勤している。 ●食事は、すべて自炊。朝食「パン、ハム、お新香、果物」 夕食「ご飯、魚または肉料理」 ●長生きの秘訣「コーヒーと煙草。身近にストレスの原因を置かないこと」 |
2018年3月17日、103歳没。
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4.101歳まで現役サラリーマン、福井福太郎さん(当時104歳) ●101歳まで、スーツにネクタイ、ビジネス鞄で、乗り継ぎ電車通勤1時間。 ●好物は、「白米、うなぎ、蕎麦」 職場では「ハンバーガーやコンビニ弁当」 ●長生きの秘訣「101歳まで毎日8000歩から1万歩は歩いていた。」 【動画出典;Fukutaro100sai より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました。】 |
2017年2月19日、死去。104歳没。
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5.現役医師、高橋幸枝さん(当時100歳) ●週1回の診察を担当する病院の理事長。決裁書類や決算書の中身を確認する業務をこなす。 ●食事は細かいルールは決めていない。朝食はパンかご飯。 ●長生きの秘訣「食べたいものを食べる。よく噛むことを意識する」 |
2020年1月16日、死去。103歳没。
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6年前の健康百寿者5名の方は、残念ながら全員お亡くなりになられていました。
しかも、動画に登場されている各人は大変お元気そうで、とても亡くなるようには見えないのに、その後、割と早い時期にお亡くなりになっているようです。
やはり100年以上生きると、細胞の劣化や全身臓器や組織の萎縮という「老化現象」が、加速度的に進んでいくのでしょう、いわゆる老衰による天寿全うです。
5名中2名の方が105歳以上(超百寿者)までご健在で在られましたし、5名全員ともにお亡くなりになる直前までお元気で過ごされたようなので、やはり健康長寿にて100歳を迎えることが大切なのでございましょう。
それすなわち「運動」、「栄養」、「休養」の3つの生活習慣を良好に保ち、なるべく「老化現象のスピードを抑える」ことでございましょう。
平均寿命が延びて年々百寿者が増えている主因としては、公衆衛生の向上、栄養状態の改善、そして医学の発展という「高度現代文明があってこその生」と言えましょう。
そんな中、「健康長寿」で100歳を迎えた皆さんの多くは、その「現代文明」の恩恵を受けながらも、なおかつ、各人がしっかりアンチエイジングすなわち「老化現象のスピードを抑える生活習慣」を行っておられるということではないでしょうか。
5人のスーパー百歳の皆さんを取材した執筆者の伊田欣司さんは「百寿者に共通するのは、年齢が百歳を超えたという1点だけといわれるほど、長寿の秘訣を探り出すのは難しい」と述べられたうえで、以下のように書かれています。
「実際に会ってみると、皆さんに共通しているのは、前向きな性格、負けず嫌い、明瞭な受け答え、ユーモアのセンス、肌の色艶の良さという似通った印象が残る」と。
そして5人全員が未来に目を向けていることが印象的だったそうです。
内科医の奥田昌子先生は、100歳を超えて元気な「百寿者」の共通点として、「小さな積み重ねが元気の源」として、4つの生活習慣を紹介しされています。【画像出典;東京新聞Web(2018年12月29日)】より引用させていただきました。】
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5人の元気なスーパー100歳超えの皆さんのことを書いた、3年前(2019年)のヘルシー長寿研究会(3.スーパー百歳の皆さん)【2019敬老の日】 では、元気いっぱいに筋トレする「中山きんに君先生のおじいちゃん(100歳)」の動画も紹介いたしました。
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【敬老SP】入院していた100歳のおじいちゃんが毎日筋トレで凄い肉体を手に入れた。
筋トレに年齢は関係ない、、、衝撃のラスト3分&衝撃
【動画出典;ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】】
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腰痛を克服するために孫のきんに君の本を読んで筋トレに励んでいるとしっかりした口調で語ってくれた100歳のおじいちゃん。
正に「未来に目を向けて、前向きな姿勢で人生に取り組む姿」に、私自身も大いに勇気付けられた動画です。
そして、その「元気な100歳おじいちゃん」について、孫の中山きんに君先生が再び語っておられます。
その動画をご紹介して、今回はこれにて・・・・・
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【挑戦】15年ぶりの大会出場に向けての涙の理由とは?
筋肉留学中(2007年)の超貴重秘蔵映像あり。
【動画出典;ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】】
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「ヘルシー長寿研究会2022」では、「高齢化」&「少子化」そして「多死社会」を迎えていく時代の中で、「ヘルシー&長寿」を目指し、読者の皆さまとお役立ち情報などを共有できたらと考えて記事作成していきます。
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(3)ヘルシー百寿者、その後。
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