当シリーズ「★調味料列伝2021★」では、普段ほとんど意識していないし、摂取量も1食あたりでも僅かかもしれないが毎日必ず摂取しており、それゆえに長期的には累積的に栄養や健康に大きな影響を及ぼすであろう「調味料」にスポットライトを充てています。
自炊で使っていきたい「なるべく添加物が少なく原材料そのもので、美味しい調味料」について特集していきたいと思っています。
第4回は「砂糖」
登場するのは、この御仁だ!!
●てんさい糖(ホクレン)
【 GREEN WEB 】ビートの収穫/JA十勝清水町(清水町)【てん菜の収穫は冬の前の大仕事】色づく木々の葉もすっかり落ちる晩秋の頃、青々としたてん菜の畑はひときわ目を引きます。北海道では、じゃがいも、豆類、小麦と共に多くが輪作しながら栽培されています。収穫期は10月から11月にかけて。生産者のみなさんにとって、冬支度に入る前の大仕事です。【冷涼な北海道に適した寒冷地作物】 土から掘り出したてん菜は、見た目は大根やカブのようですが、分類上はほうれん草と同じヒユ科に属します。その糖度は、甘いメロンに匹敵する15度以上。昼夜の寒暖差により、糖度を高めていくのだそう。夏でも冷涼な気候によって糖分を蓄える、まさに北海道に適した寒冷地作物です。【 GREEN WEB 】ビートから砂糖へ/ホクレン清水製糖工場【機械を止めることなく、24時間稼働】秋に収穫されたてん菜は、冬の間に製糖工場で砂糖へと加工されます。工場は10月下旬から2月下旬まで一日も休むことなく24時間体制で稼働。約4か月の間に一年分の砂糖を製造します。【北海道から全国へ、砂糖を供給】製造した砂糖は、業務用から家庭用まで、それぞれのパッケージに詰められ、全国に出荷されるまで倉庫で一時保管。春を前に製糖が終わると、工場内の機会は一度解体され、細かなところまですべて点検し、修繕。次の収穫・製糖幾に向けた準備に入ります。【出典;動画、解説文ともに ホクレンGREEN WEB/北海道農業の今を伝える動画チャンネル より、共有埋込コードにてリンクさせていただきました。】
「てんさい糖」の原料は、北海道でつくられる「てん菜(ビート)」。
ジャガイモや牛乳などと並ぶ北海道を代表する農畜産物の一つで、日本の生産地は北海道のみとのことです。
大きく分けると砂糖は、
・分蜜糖(ぶんみつとう)・・・・グラニュー糖、上白糖、三温糖、ざらめ糖など
・含蜜糖(がんみつとう)・・・・てんさい糖、黒糖(黒砂糖)赤糖、きび糖など
・・・・に分類されます。
【分蜜糖】 近代的な製法を用いて工場で遠心分離機などを使い、砂糖の結晶と蜜を分けて結晶だけを取り出した砂糖のことをいいます。 【含蜜糖】 原料から抽出した糖汁を煮詰めて作られます。 ミネラル分も原料から除去されることなく豊富に含まれているのが特徴です。 【出典; 砂糖の種類は大きく2つ! 含蜜糖と分蜜糖の違いを健康視点で考える より、抜粋引用させていただきました。】 |
そして、今回の主役「てんさい糖」は、ミネラルなどを豊富に含む「糖蜜」を結晶と分離せずにつくる砂糖、すなわち「含蜜糖」という事ですね。
てんさい糖って砂糖は、塩で言えば「藻塩」、米で言えば「玄米や分づき米」、麦で言えば「全粒粉」、そばで言えば「十割そば」・・・・つまり、「精製過程が少なくて原料に近い茶色い奴ら」の仲間なのでしょう。
お砂糖をつくるとき、原料の「てん菜」から糖分を抽出し、ろ過して煮詰めたあと、結晶と糖蜜に分けます。 それぞれを乾燥させると、結晶は上白糖・グラニュ糖になり、糖蜜は「てんさい糖」に。 茶色い色は、蜜を含んだまま高温で乾燥させた天然の色なのです。 「てんさい糖」は、まろやかな甘さで、風味やコクがあり、さらに、天然のオリゴ糖まで含まれている、多彩な魅力をもつお砂糖なのです。 「てんさい糖」には原料のてん菜に含まれる天然のオリゴ糖が5%以上含まれています。 ※オリゴ糖は、糖質のひとつでビフィズス菌などの有用菌の栄養源となります。 ミネラルは体内ではつくられないので、つねに食べ物から補う必要があります。 一般的によく使われる上白糖は、99%が炭水化物。 てんさい糖はカリウム、カルシウム、リン等の天然のミネラルを大切にして作られているんです。 【出典;てんさい糖8つの理由 より、抜粋引用させていただきました。】 |
スリム家キッチンスタジアムに降臨した「てんさい糖」
スプーンですくって「ペロッ」・・・となめてみる・・・
うーん、マイルド&ジェントリー!!
優しいおだやかな甘味が口内に広がってまいります。
上白糖やグラニュー糖の原料にもなる「てん菜」
上表の成分比較表によりますと、てんさい糖は精製された上白糖やグラニュー糖と較べて、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などの微量栄養素が多く含まれていますね。
てんさい糖は、腸内細菌の皆さんの大好物「オリゴ糖」も含まれています。
「オリゴ糖」は人の腸ではそのまま消化・吸収できない「難消化性糖質」であり、近年の研究によって大腸で腸内細菌に代謝され「短鎖脂肪酸」となりエネルギー源になることが明らかになりました。
腸内環境を改善するためには「短鎖脂肪酸を産生する菌を増やす」ことや「有用菌のエネルギー源を供給してあげる」ことが必要といわれています。
もちろん、てんさい糖に含まれる微量栄養素が精製された砂糖よりも多いといっても、調味料なので大量に摂取することはございません。
しかし、あ・な・ど・る。。。。なかれ。
「塵も積もれば山となる」。
外食や総菜品においては、ほぼほぼ100%精製済の砂糖や塩を使っているはずなので、せめて自宅での調味料はビタミンミネラルを身にまとった砂糖や塩を意識的に摂取して、楽しいヘルシーライフの一助にしていきたいものでございましょう。
【参照文献】
(独立行政法人農畜産業振興機構HP)
厚生労働省eーヘルスネット
太陽化学株式会社
NEWSポストセブン
★調味料列伝2021★
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④てんさい糖(ホクレン)
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