【コロナ】複合災害に備えて【風水害・猛暑・地震】⑤コロナ禍での巨大地震&原発事故は?

地球全体で10数枚のプレートがあるとされていますが、そのうち何と4つのプレートの衝突部が日本列島周辺に存在しています。
そして、主に西日本に位置するユーラシアプレートの下に海洋プレートのフィリピン海プレートが南側から年間数cm割合で沈み込んでいる場所・・・それが「南海トラフ」です。
プレートの種類.jpg

南海トラフは、この沈み込みに伴い、2つのプレートの境界にはひずみが蓄積されています。
過去1400年間を見ると、南海トラフでは約100~200年の間隔で蓄積されたひずみを解放する大地震が発生しているとのこと。
近年では、昭和東南海地震(1944年)、昭和南海地震(1946年)がこれに当たります。
昭和東南海地震及び昭和南海地震が起きてから70年以上が経過しており、南海トラフにおける次の大地震発生の可能性が高まってきているそうです。


世界の地震の10%、世界の活火山の7%が集中しているという日本列島。 
正に、世界一と言っていい「地震大国」で、ございましょう。
1億2千万もの人々が暮らす「地震の巣」で、揺れやすい4つのプレートのせめぎ合いに乗っかった国土に、令和2年の今も「放射性物質の漏れが止められなかったら逃げるしかない」という原子力発電所がうじゃうじゃ存在します。
原子力発電所マップ.png
【出典;公益財団法人ニッポンドットコムHP「日本の原子力発電所マップ」より引用させていただきました】


今年2020年は、新型コロナウィルス感染が全世界規模で拡大しました。
感染拡大予防対策として、自然災害が多い日本では、「感染症」と「水害/台風/熱中症/地震」という「複合災害のリスクを軽減するガイドライン」などは、国や自治体はじめ、報道機関など「オール・ニッポン」で日本全国津々浦々、国民ひとりひとりに提示されました。

と・こ・ろ・が。。。。だ!

普通にTVやネットニュースや国や自治体の情報を見ていても「感染症 と 原発事故」が重なった「人類史上最悪の複合災害」についての注意喚起は、皆無とは言いませんが、情報共有の記事やお知らせはほとんど見つけることができません。
水害はハザードマップ、台風は最新予報ニュース、などと、各リスクに応じた対策と避難の必要性については様々な情報が手厚く提供されていますが、コロナ禍での放射能事故という複合災害については、見事に「オール・ニッポンでほぼ沈黙」している状況です。

原発事故、居住禁止区域マップ.jpg
原発の放射性物質の拡散が止められなかった場合の「強制避難地域170km圏内」の日本地図です。
重大な原発事故が発生した場合、日本国内にほぼ逃げ場はありません。


さて、当記事を書いている2020年9月現在、これから寒くなるシーズンにおいては、新型コロナ感染症の第二波が懸念されます。
感染症拡大防止のために、これまでのガイドラインのとおり三密(密集、密接、密閉)を避けるなどの対策が求められていくでしょう。
3密を避けましょう.jpg

と・こ・ろ・が。。。。です!!

一方で、原子力防災では、被ばく防護の「3原則」があるようです。
すなわち

「放射線源から離れる」
「被ばく時間を少なくする」
「放射線源を遮蔽(しゃへい)する」

・・・の、3つ。
放射性物質が飛散している場合は、屋外にいる時間をできるだけ短くし、汚染された大気に体をさらさないようにするよう求められています。
すなわち、屋内退避では「窓を閉めて目張り、エアコンを止め、とにかく換気してはならない」とのこと。
放射性物質が飛散したら.jpg
ということは、原発事故発生時では、指定避難所等の多くの人々が同時に密集して集まる屋内退避の場合、コロナウイルス感染防止の「3密を避ける」は実行できません。
密閉しなければウイルス感染以前に、外部からの放射能に蝕まれてしまうリスクが大きくなるからです。
もちろん国も「屋内退避の指示が出ている間は放射性物質による被ばくを避けることを優先し、感染対策で求められている 換気 を原則行わない」との方針を打ち出しています。
一方で国は、こうも言っています。
「公民館、学校などの広域避難所で密閉が避けられない場合はUPZ(原発から30km圏内、緊急時防護措置を準備する区域)の外に避難するべし」と。
平たく言うと「密閉空間になるので、集団による感染拡大防止のため最初から30km以遠に逃げろ。バスを用意してやる。でも各自が自家用車で脱出してもOk」と、国は言い放っていますが、地震が起きて、あっという間に放射能が漏れた場合、住人はすみやかに無事に30㎞以遠に逃げられるのでしょうか?

コロナと原発事故のジレンマ.jpg
日本科学者会議が声明

新型コロナ感染拡大下の原発のリスクに関しては日本科学者会議が四月下旬、「新型コロナ感染拡大中の今、原発の即時運転停止を求める」と題した声明を発表した。
声明は「原子力施設がひとたび事故を起こせば放射性物質防護のために屋内退避が不可欠で『密室』をつくらねばならない。新型コロナ対応とは相反する条件となる」と指摘。
「避難場所自体で感染爆発、修羅場となりかねない」と警告した。
事故対応や日常の運行管理でも閉鎖空間で働く要員に感染者が発生すれば「勤務体制がたちどころに崩壊し緊急時対応体制や安全運転体制の崩壊につながりかねない」としてリスク管理策は不可欠と主張。「稼働中の原発の運転停止を求める」とした。

【出典;東京新聞WEB(2020年6月18日)より抜粋引用させていただきました】


本年度の災害カテゴリー特集において、「コロナ禍での水害・熱中症・台風」などの最新の防災お役立ち情報を、主に国や自治体などの一次情報を参照として、読者の皆さんと共有化できますよう、記事作成してまいりました。

た・だ・し。。。で、ございます。

今回の「コロナ禍と原発事故」については、お役立ち情報はありません。
あくまで私が探してみた範囲に限られますが、国や自治体のサイトでは「コロナ感染&原発事故」の「複合災害」について、国民や住人を守ろうとする具体的で現実的なお役立ち情報を見つけることができませんでした。
なので、最終回の今回は、読者の皆さんと一緒に、この問題を考えていただくための記事となりました。

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日本では古代から人々は五穀豊穣・大漁・大猟・天候安定などを祈っており、安定した生活を次の世代へと受け継ぐことを願って、自然と折り合いながら今日の繁栄を築いてきました。
イラストレーター  Helloさん.jpg
読み方;ごこくほうじょう
穀物などの農作物が豊作になることを幅広く指す言葉。
「五穀」は米、麦、粟、黍または稗、豆の5種類の穀物のこと。
「豊饒」は作物などが豊かに実ること。

ややもすれば原発の話題はイデオロギーや政治の問題とリンクされ易いですが、そんなネチネチウジウジネトネトウヨウヨした考えではなく、「リアルで人間が、故郷に住めなくなるんだ」というシンプルで重要なテーマでございましょう。
昔から「五穀豊穣を願う人々が暮らしてきた国土」において、水や土や自然と共生してきた人々が、下らんイデオロギーや同調圧力などで分断されるのは哀しいことでありましょう・・・・・・
これでは、縄文時代のご先祖様に申し訳が立ちませぬ。

「縄文時代の最盛期の人口は約30万人」

考古学者の小山修三さんがかつて、こんなエッセーを書いている。
当時の平均寿命は31歳と短い。
病気やケガが多く、妊婦さんや赤ちゃんの死亡率も高かったせいだ。
天候不順が環境を左右し、地震、火山の災害は頻繁だった。
以来、数千年、営々と築き上げた文明で、種々の病を克服し、厳しい気象にもうちかって、人口は激増した。
しかし、大きな揺れの不意打ちには、いまだに社会の無防備でもろい一面があらわになってしまう。
(中略)
東日本大震災や熊本地震まで、私たちは尊い犠牲の上に、それぞれの災害の特徴から重い教訓を得た。
今後は首都圏直下や南海トラフを震源とする強い揺れが待ち受けるという。
減災の手法や避難、復興の場で天災に屈しない人間の成熟度が試されよう。
列島に生きる我々に課せられた縄文以来の長い宿題でもある。

(以上、日本経済新聞「春秋 、2018/1/17 1:14」より抜粋転載させて頂きました。)





【コロナ】複合災害に備えて【風水害・猛暑・地震】

⑤コロナ禍での巨大地震&原発事故は?

【完】

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