【番組感想】糖質制限ダイエットは正しいのか?⑰時代は変わる・・変わらない賛成派

番組名「深層ニュースFRIDAY」(BS日テレ)
特集「糖質制限ダイエットは正しいのか」の視聴感想記。。。。
「17回目」です。
登場人物は・・・・
🔲糖質制限ダイエット【賛成派】

●夏井睦・・・「日本糖質制限医療推進協会 顧問」
   著書「炭水化物が人類を滅ぼす」
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🔲糖質制限ダイエット【反対派】

●幕内秀夫・・・「管理栄養士」
   著書「世にも恐ろしい糖質制限食ダイエット」
糖質制限ダイエット反対.jpg

●日比野佐和子・・・「医師(VTR出演)」
     著書・・・著書多数(健康食事法、目が良くなる本など)
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日比野先生「私は、糖質制限ダイエットの影響で一過性脳虚血発作になりました。」
夏井先生 「糖質制限ダイエットと脳疾患の因果関係なし。あっても世界で日比野氏だけです」
幕内先生 「糖質制限ダイエットと脳疾患の因果関係のデータはある。しかし断定はできません」

さあ、いよいよ番組は佳境にさしかかってまいります。
次のテーマは「糖質制限ダイエット」の安全性や長期に続けるためのポイントなど、いわば賛成派の夏井先生に花を持っていただく話題へと移行したのですが・・・・・・

男性司会者【談】
(糖質制限ダイエットの安全性について)長く続けることへの不安だとか、途中で挫折してしまったとか、どうしてもダイエットとして長く続けつらいといった側面もですね、あると思うのですが、その辺りはどのようにお考えですか?

夏井先生【談】
ええっとねぇ、あのぅ、ま、人間というのは「2:6:2」に分かれるっていう有名な経験則があるんですよ。
で、(上位の)2割っていうのは新しいことが大好きなんですよ、僕みたいに(ドヤッ!)
新しいもの好きで、とにかく何でも飛びつくっていう・・・・
で、(下位の)2割っていうのは物事を変えるのが嫌なんです、変えることが悪だと思っている人達です。
残り(中位の)6割は上(上位2割)に付いたり、下(下位2割)に付いたりするんですよ。
人間っていうのは、食べ物については非常に保守的なんですよ。
だから、一度ついてしまった食習慣を元に戻すのは難しいんですよ。
だから、さっき言った、(糖質は)脳に直接左右しますから、だからタバコがなかなか止められない人がいますね、お酒が止められない人もたくさんいます、と同じように、ご飯が止められない人がたくさんいるというだけの話なんです。

男性司会者【談】
ま、気持ちの問題が強いのかもしれませんが、・・・

夏井先生【談】
(発言中の司会者を途中で遮って)気持ちというよりは、脳がそういう風にできているんですよ。

「糖質制限ダイエット」を「安全に長く続けるにはどうしたら良いのか」という男性司会者の前向きな質問でしたが、夏井先生は具体的にどころか、質問された内容には全くお答えにならず、突然、何の脈絡もなく「人間は2:6:2に分けられる」と、お答えになりました(苦笑)

「数百本の講演動画聴講および数十冊のご著作ホン読破」という毎日を過ごすほど「糖質制限推進派先生(MEC派&断糖派は除く)」に集中した、私「狂気の男、スリム鳴造」は、このやり取りを見て「やれやれ、夏井先生は、まだこんなことを言っているのか・・・」と、ため息をつきました。

「焼酎が、まずい・・・・」と。

youtubeにアップされている夏井先生のご出演動画をもれなく、恐らく100%視聴している私にとって、この「2:6:2」の法則を語る夏井先生は、昔のお馴染みのフレーズなので全く驚きませんが、一般視聴者や番組出演者にとっては、質問に答えず突然全く関係ないことを、しかも「糖質制限は新しいものだ」と、明らかに時代から取り残されてしまった発言を、平気でしてしまった夏井先生に呆れたことでしょう。

2-6-2の法則.jpg

【夏井先生が自ら語られた糖質制限の「2:6:2」の法則の解釈】
上位2割・・・「糖質制限という新しいもの」が好きな「優秀な人々」
下位2割・・・「糖質を食うし、変化は悪だ」と考える「できない人々」

           r"`ヽ、
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              ):  )
         __/::: /
       /   〈:: /
      /   \ ,〈//\
    /    (●) ┃(●) \ 上位の2割は新しもの好きで頭が良いんだ。
     |       (__人__)  下位の2割は変化を嫌う時代遅れの連中だ。
      \      ` ⌒ ┃ ,/
.      /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
      |  ,___゙___、rヾイソ⊃
     |            `l ̄
.      |          |

この2:6:2の法則は、崇拝者や信者や舎弟後進医師に向けてのご自身の媒体での発信であれば、通用するでしょうし、夏井先生のファンにとっては、「俺たちは夏井先生とともに選ばれし優秀な上位2割なんだ!」ということで、益々夏井先生を崇拝していくのでしょう。
しかし、「かつて狂気のごとく糖質制限に集中したスリム鳴造」にとって、今回だけは看過できないのは夏井先生が「糖質制限を推進する医療団体の関係者」としてのお立場で「全国の視聴者、つまり健康な一般国民」に向けて、こんなとんでもない愚論を発信してしまったことでありましょう。
何度も書いていますが、私は糖質制限推進医療協会は「糖尿病の1食事療法」として、その普及を支持して応援する考えであります。
しかし、「何が何でも糖質は悪」とか「驚異のダイエット法だ」との、明らかに人類や健康な人々にとって不利益になるであろう極論には猛反対の考えでもあります。
「2:6:2」の解釈については、最早、苦笑/嘲笑/呆笑/失笑/冷笑という単語では足りないくらい、絶望的にヤラかしてしまった覆水盆に返らず・・・の、糖質制限ダイエット賛成派の終焉がはっきりと露呈した瞬間であったとも言えましょう。
ダイエット法としては反対だが、病気治療としての食事法としての糖質制限には賛成の、私スリム鳴造は、とても残念です。
「なぜ夏井先生は、独善的かつ断定的な発言で、一般庶民を敵に回し糖質制限全体を貶めるのか」と。

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体重85㎏(身長は174cm)を超えて2016年8月に糖尿病宣告を受けた私が、可及的速やかに「メタボからの脱却」を図るべく選択したのが「糖質制限食事法」でした。
「糖質&カロリー制限」と「運動習慣」実践期間中の半年間で体重が約20kg減量し、血液検査の結果も改善された後は、「糖質を味方として適量摂取し、発酵食品や未精製穀物など食物繊維ビタミンミネラルを意識した食事」に変えて今日に至っております。
この糖質制限食事法をやってみようと思ったのは「2ちゃんねる身体・健康板」の「糖尿病初心者スレ」での無数無名の人々の賛成or反対、玉石混淆、喧々諤々、親切and罵倒、温情vs 殺伐、異論反論、罵詈雑言、誹謗中傷といった「名無し」ゆえに放たれる「加工されていないむき出しの情報」を読んだからでありました。
それは、読み手が感じるに、凄まじいエネルギーを発しておりました。
私が糖質制限を始めた動機は、メリットデメリット以前に「既に日本で無数の皆さんが実践していて、良いも悪いも甘いも酸っぱいもある、物凄い情報量と熱量」を信用したことになるのでしょう。

そ・し・て。。。。で、ある。

2ちゃんねるの「糖尿病初心者スレ」では、糖質制限のメリットと同じくらい、いや、皮肉で斜め視線の2ちゃん住人のこと、むしろデメリットの意見のほうが多かったような気がします。
つまり、今(2020年)をさかのぼること4年前の2016年の時点で、既に「糖質制限」は無名無数の多くの人々が実践済であり、メリットデメリットも十分認知されていた「決して新しいものではなく、むしろ伝統になりかけている古いもの」でありました。
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ですので、令和新時代に入った現在でさえ、「糖質制限は新しいものなんだ!パラダイムシフトなんだ!ドヤっ」とばかりに真顔で語る夏井先生を見てると、「変化を嫌う古き良き爺さんだな」と微笑ましくさえあります。
「下位2割の奴らは、変化を悪とする古い連中だ」とドヤった夏井先生に対して、時代の流れという名のブーメランが刺さった瞬間の番組の一場面で、面白く拝見はしましたがwww

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あくまで私個人の考えとしてお断りしておきますが、「令和の糖質制限ダイエットの2:6:2の位置づけ」は以下の通りです。

【スリム鳴造が考える”糖質制限”2:6:2の法則】
上位2割・・・糖質制限を体験済で、メリットデメリットの両方を理解し認める人たち
下位2割・・・何が何でも穀物や糖質摂取を悪とする、古臭い糖質セイゲロニストたち

残り6割は、ま、適当に糖質制限したり、しなかったりとテキトーな人たちで、実はこの6割の人たちが一番ヘルシーなのかもしれないな、と、スリムちゃんは考えます。

いずれにしても、この番組を通してみた場合の「糖質制限ダイエット賛成派」のイメージとは、
・一般国民や視聴者にとっては「糖毒原理教の老害教祖」
・糖質制限絶対信奉者にとっては「偉大なる指導者」
・・・・と、なったことでしょう。


“The Times They Are A-Changin'" by Bob Dylan
「時代は変わる」ボブ・ディラン
ボブディラン公式Youtubeチャンネルより埋込コードにてアップしました


さて、そろそろ番組ウォッチングに戻ってみましょう。

ここまで黙って聞いていた「糖質制限ダイエット反対派」の幕内先生が、以下のように発言されました。
幕内先生【談】

(夏井)先生はさっきから「私は」とか「誰が」とかおっしゃっていますが、一番大事なことを忘れちゃいけないのは、ほぼ毎日糖質を食べていて100年生きてきている人が6万も7万もいると、圧倒的な数があるということですね、そのことを忘れちゃいけないということです。

「精製糖質の摂り過ぎはいけないということでは夏井先生に賛成」と、共感と同意を示してきた幕内先生が、「健康長寿者の食生活」を例示し、静かに、しかし、はっきりと「糖質摂取自体が悪とする夏井先生は間違っている」と述べられました。

「糖質食べる事が危険だと言っているが、健康長寿者は皆、糖質を毎日食っているぞ」と。

これは、幕内先生のご意見が正しいですね、百寿者は糖質でも肉でも魚でもなんでもバランスよく食べていると言う「事実&真実」があるのですから。

アンケートによりますと、百寿者が日ごろ摂取する頻度が多い食べ物や好きな食べものは、以下のとおりです。
ご飯、パン、麺などの主食は男女とも約9割近くが「毎食」食べていた
男女間での有意差は認められなかった。
いも類を「ほとんど摂らない」者は、1割弱であり、最低でも週に1回以上は食べていることが示された。
主菜としての肉類と魚介類の摂取頻度をみると、「ほとんど毎日食べる」あるいは、「2日に1回」の者の割合は、肉類より魚介類の方が多かったことから、魚介類を主とした料理を好む傾向がうかがわれる。
牛乳・乳製品を「ほとんど毎日」摂取する者は65%以上、卵では約半数を占めていた。
豆腐類、海藻類ではほぼ同様の分布を示し、最低でも週に1回以上は食べていることが示された。
野菜類を「ほとんど毎日食べる」者は男女とも約9割を占め、主食とともに最も積極的に摂取している食品であることが示された。
果実は男女とも約6割が「ほとんど毎日」摂取しており、「ほとんど摂らない」者は3%と非常に少ないことから、好んで摂取されている食品であることがうかがわれた。
百寿者「好きな食べものランキング」.gif
【記事および画像出典;「公益財団法人健康・体力つくり事業財団」HPより抜粋引用させていただきました、】

上記資料のとおり「健康な百寿者」の方は、ご飯・パンなどの主食、すなわち「炭水化物」を毎日しっかり召し上がっておられます。

「血糖値スパイクを起こす糖質食いは危険だ」「バランス良い食事なんてウソだ。」
・・・などと、番組で全国の視聴者に向けて断定物言いの上から目線で語った夏井先生。
しかし、夏井先生のご説を路傍の石を蹴とばすかのように、健康長寿者の食生活は「どなた様もこなた様も、バランス良く何でも召し上がっている人が多い」のが実態でありましょう。
もちろん、健康長寿者は肉も食べておられるし、それと同じくご飯も召し上がっておられます。

「ワシは米や炭水化物なんか食わんぞ。人類を滅ぼすし早死にするからのお。ふぉふぉふぉ!」
・・・・・と、おっしゃる健康長寿の人は世界中探しても限りなく0%に近いでしょう。

健康長寿を考える特集につきましては、
ヘルシー長寿研究会【2019敬老の日】も、ご覧になってみてください。



糖質制限ダイエット賛成or反対②.jpg
番組を通じて、反対派の幕内先生は、議論のお相手である賛成派を「夏井先生」と、しっかり名前と先生を付けてお呼びになられて、お相手の立場を立てて、視聴者に分かりやすく落ち着いてお話されておられました。
ま、これが一般社会人としての、当たり前の最低限のマナーであっただけではありますが。
しかし、一方の夏井先生は、幕内先生をことを決してお名前や「先生」と呼ばず、「アナタ」呼ばわりしたり、番組全般を通じて明らかに喧嘩腰の姿勢がTV画面を通じて伝わってきましたね。
これは、一般視聴者つまり国民の印象としては、全くのマイナスであったでしょう。
見ていて見苦しく、余裕がない態度に見えたのは私のみならぬ多くの視聴者が感じ取ったでありましょう。
しかし、まーたぶん、夏井先生の内輪ではそれで良かったのでしょう。
つまり、師匠たる江部先生と、ご自身を熱狂的に信奉する後進医師や信者に向けた「糖質制限大本営」の面子や体面をTVを通じて語っているのだと思いました。
しかし、顧問としての肩書で「糖質は血糖値スパイクを起こすから食べたら危険。」だとか「糖質制限に欠点なし。完璧な治療法でダイエットにも安全だ」と受けとられるかのようにTVで語ったということは、すなわち、それが「糖質制限医療推進協会」のステートメントと受け取られても仕方ないでしょう。
でも、世の中はもう、はっきりと見えています。
精製糖質にせよ、肉や脂や糖質が多い工業加工食品にせよ、過剰摂取は何だってカラダに良くないのです。
だからこそ、糖質制限ダイエット反対派の幕内先生も「精製糖質の過剰摂取は健康に良くないということで夏井先生に同意」としておられます。
糖質の摂り過ぎが良くないことは、糖尿病専門医やボディメイク系の人や管理栄養士や幕内先生や日比野先生や読売新聞元医療部長の人だって、十二分に分かっています。
また、それゆえにこそ逆に人類にとって重要なエネルギー源となるし小腸に吸収されないでんぷんもある「糖質」を「ほとんど食べない」事だって、健康が長続きするはずがありません。
時代が変わって、令和時代・・・・・・・
夏井先生は、かたくなに、種類にかかわらず、古い平成時代のまま、「糖質摂取そのものが害」「俺や江部先生が健康だから安全」だと番組で言い切ってしまいました。
「糖質」だけを標的とし、しかも「ダイエット」と結びつけて商売にしている人たちは、頑として「デメリットを認めない」という、異常な人々の集まりであることが、当番組で判明したのかもしれません。
でも、それも理解できるのです「糖質制限」が「商標」「商品」なのだから・・・・・

そして、こういう熱狂では有りがちなことですが、同じ職業の真面目な「後進医師」ほど、かたくなにバイアスがかかって「江部センセ夏井センセ」のほうに顔が向いてしまっている・・・と。
今は、まだブームの余熱や最後っ屁や残滓があるから良いでしょう。
しかし、今や食物繊維の効能や腸内環境が及ぼす血糖値への影響など、炭水化物の重要性についてどんどん新たな論文や知見が発表されているし、「糖質摂取がすべての元凶」なんて事はあり得ない・・というのが真実でありましょう。
やがて「糖質制限ブーム」が去ったのちには、梯子も外され、第一人者は引退し、幹部センセは内科医ではないから関係なし、困るのは、今後も長く医師生活を患者さんとともに歩んでいかなければならない、若い医師だちでありましょう。
イラストレーター  Peterさん.jpg
「患者が自主的に糖質制限を理解してから診察を受けろ」というような「保険適用外クリニック」や「オンライン治療」に先走ったとしても、農家・飲食店・一般勤労者など、市井の庶民や患者など、世の中全体を敵に回すような医療は、決して長続きしないものと思います。

私は糖質制限についてダイエット法としては反対ですが、「治療としての食事療法」には実践者として賛成ですし、それゆえに「糖質制限推進協議会」に対しては応援する考えであります。
「糖質制限」に関しては、「痩せるまで実践してみましょうか」と、淡々とクールに粛々と1治療法として保険診療していけるように普及すれば良いのだが・・・とは、個人的に思います。

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