「炭水化物」にもチャンスを!【9】医師免許保持者たちによって徹底的に悪者にされた「平成の炭水化物」

いつから「ご飯」や「米」などの炭水化物が悪者にされてしまったのでしょうか・・・・

今は過ぎ去りし平成という古い時代に、炭水化物と糖質の区別もはっきり行わず「炭水化物を摂取さえしなければ、好きなものをいくら食べても良い」と、人類にとって必要不可欠な栄養素を徹底的にTVや著作や講演で叩きまくった「医師免許保持者たち」が、「ご飯」や「米」を悪者に仕立てた状況について、大きなインフルエンサーになっていたことは間違いないでしょう。
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さーつるにさんによるイラストAC からの画像

もちろん、主に炭水化物に含まれる「糖質」を過剰摂取すると、エネルギーに転換されなかった過剰な糖が脂肪に転換され、脂質代謝異常(中性脂肪値の増加など)を起こす一因となりメタボとなって2型糖尿病発症のリスクが高まることは、私「スリム鳴造」も実体験として十二分に理解しております。

一方で、「糖質+食物繊維」で構成された「炭水化物」の摂取を極度に減らした食生活を続けると、穀物や野菜に多く含まれている「食物繊維、ビタミンミネラル」が不足し、慢性的な栄養不足による体調不良を引き起こす可能性もありますし、 飽和脂肪酸を多く含む動物性たんぱく質の過剰摂取は、動脈硬化や高コレステロール血症など循環器疾患のリスクも増えてしまいます。
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つ・ま・り・は。。。で、ある。

本当の答えは、何事も「過剰」がアカンのでしょう。
特定の栄養素を「これは食っては駄目だ」とか「これは幾らでも食っても良い」という事を「医師の立場で語る事」その事自体が「異常事態」でありましょう。

 糖質は人類には不要や!田んぼなんか要らん!(釜池豊秋先生;糖質制限の創始者)
 炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません。(江部康二先生;糖質制限の第一人者)
 炭水化物が人類を滅ぼす、糖尿病学会は詐欺的治療である(夏井睦先生;糖質制限の推進者)
        ↑
これら「糖質制限業界3大スター」と呼ぶ先生方のご主張を、ほんの一時期とは言えそのまま受け入れていた私の状態も、「何が何でも糖質は悪」と決めつけた「過剰」な考えに支配されていたのでしょう。
炭水化物の食べ過ぎで早死にするな・・・と書くならば同時に「肉の食べ過ぎで早死にするな」とも書くべきでしょう、それなら筋は通りやすwww

そして、糖質制限に全生活を集中していた時期には、私自身、腸内環境やビタミンミネラルの事はほとんど考えてもいませんでした。
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・・・あのまま「糖質制限」を続けていたら・・・・・・
・・・あのまま「主食」を食べなくなっていたら・・・・・
・・・あのまま「肉を食べる量」が増えたままだったら・・・・

腸内環境も悪化し、エネルギー効率の悪いカラダになっていたら・・・・

(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブル

危ないところでした。。。。

それにしても、なぜ、「ご飯」や「米」などの炭水化物が「揺るぎない悪者」として世に定着してしまったのでしょうか・・・・

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引用マーク始め1.png誰でも簡単に、短時間で努力なしに、ほぼ確実に痩せられるからだ。痩せないわけがない、という驚異のダイエット法だからだ。その簡単至極な痩身法とは「糖質制限」である。糖質(=炭水化物と砂糖類)を食べないというシンプル極まりない方法だ。それだけで、多くの人がほぼ確実に痩せられるのだ。
しかし私としては、自分が痩せればそれでいいのであって、自分以外の同年代のオヤジたちには痩せて欲しくないのである。私以外の中年オヤジはずっとデブ体型のままでいて欲しいのである。すっきりと瘠せてしまった私の引き立て役として、彼らにはメタボ体型を保っていて欲しいのだ。
(~中略~)では、なぜこの本を書いたのか。もちろん、多くの女性に読んで欲しいからである。(~中略~)そしてできれば、「痩せられたのはこの本のおかげです。著者の先生にひと目会って、お礼が言いたくて・・・」という女性ファンが周囲に群がるようになったらいいなぁ、と考えて、この本を書いたのだ。
【出典;スリム鳴造蔵書「夏井睦著;炭水化物が人類を滅ぼす」より】引用マーク終わり.png
                         
ぷっ

「俺は瘠せた。その方法を教えてやろう。女性読者は感謝しろよ」・・・と、決してイケメンとは言えない普通のおっさんが「医師」という立場で書いた、大変ユニーク(もちろん皮肉)なダイエット提案ホンであるともいえます。
もはや「糖尿病治療としての糖質制限食事療法」の内容ではなく、冒頭から「誰でも痩せる驚異のダイエットだ」と、はっきりと、のうのうと堂々と医師免許保持者たる著者が宣言しています。

令和新時代の入り口に立つ現在から振り返ってこのホンは、他の中年男性を上から目線で見ている書き手の割には、全然かっこ良くないオッサンが、ご自身が痩せたという体験だけを担保にして医師免許保持者という権威も売り物として使って、「俺がダイエットを教えてやろう。中年オヤジは俺の引き立て役だ」と、もう勝手放題・好き放題に一般読者や日本国民にマウントを取りにいった、勘違い/場違い/見当違い/お門違い/も甚だしい、苦笑/嘲笑/爆笑/冷笑/失笑/せざるを得ない内容です。
平成当時の日本人は、このような全然かっこ良くないオッサンがドヤって書いた上から目線の文体については気に留めることはなく事実上放置し、「とにかく炭水化物はダイエットや健康の敵なんだ。」「糖質制限は誰でも痩せる驚異のダイエット法だ」との耳障りの良い、しかも即効性がありそうなスローガンに飛びついて、ベストセラーとなったいうことでありましょう。

多くのデブが短期間でみるみる痩せる効果のある「糖質制限」の実践によって、書き手としても自分が痩せたことにすっかり感動してはしゃいで興奮して目の色が変わって「これは商売(本)になる」と思ったのでしょう。
あまりに興奮し過ぎて「糖質=炭水化物と砂糖類」というとんでもない大嘘を書いたり、既存医療や糖尿病学会や普通に米を食べる一般国民に喧嘩を売りつつも、日本では異例の大ブームとなった「低炭水化物ダイエット」の真っただ中、「平成時代の日本で炭水化物全体が悪者のイメージとして定着してしまった、とどめを刺した歴史的な名書(迷書w)」でありましょう。
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炭水化物を徹底的に叩いて叩いてセンセーショナルに悪者にすることでホンの売り上げが見込めると判断したのでしょうか、「人類を滅ぼす」との、いわば全人類から訴訟を起こされても不思議ではない無茶苦茶なタイトルを付けた編集出版社の販売促進サイドの判断も分からないではありません。
瘠せて感動して興奮する気持ちは、「狂気のごとく糖質制限を実施した、私、スリム鳴造」も、よく理解できるからです。
確かに「糖質制限」には、実践した人間を感動・興奮・熱狂させる何かがあることは事実ですね。
実際、糖質制限に集中していたころは、私は釜池先生・夏井先生の講演やTV動画を大いに参考にさせて頂きました。
その点では、今も感謝していますが、それはそれ、これはこれです。

「ご飯」や「米」などの炭水化物が「揺るぎない悪者」として世に定着してしまった平成時代・・・・
それは、元来の「糖尿病患者に対する食事療法」や「ボディビルダーなどのトレーニング法」という、一部の患者や競技プロだけで行うべき「低炭水化物や糖質制限」が、「痩せ願望」と結びついてしまい、健康な日本一般国民まで巻き込まれた熱狂の犠牲になったという事でしょう。
もちろん、「過剰な糖質制限や低炭水化物ダイエット」は、健康のために良くないことは言うまでもありません。


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私は、糖尿病を発症した当時、「健康関連本」を数十冊も購入してしまいました。
当時は、いわゆる「糖質制限推進派センセ著作ホン」を集中して読んでいましたが、実は「推進派ではない本」も大量に購入していました。
画像中の書籍はその中の2冊です。
「食物繊維豊富な穀物の摂取」「ご飯好きでも痩せられる」などと、炭水化物を味方にした「糖尿病治療そしてゆるやかな糖質制限」という、極めて現実的で素晴らしい書籍でした。
ところが、当時の私は「糖質制限推進派センセのご指導」すなわち「炭水化物は人類に不要。とりわけご飯などの主食は摂取してはいけない」という考えに取りつかれていたので、素晴らしい書籍にもかかわらず「ご飯や穀物を味方にした2冊」については「食物繊維のために麦飯食え?ご飯を食べても良いだと?血糖値が上がるだろうが!」とばかりに、購入したものの詳しく読まずに、冷遇して放置していました。
本当に、愚かな当時の私でした。
でも、そういう時期を経なければ分からないという事だったのでしょう。
今頃になって、当時購入した「糖質制限推進派ではない糖尿病治療や肥満解消の本」を読み返してみると、目から鱗、どの本の内容も「無理なくバランス良い食事療法」が書かれていました。
これらの書籍については、改めて「読後感想」として特集シリーズ記事を書いてまいりますので、ぜひご期待ください。

一方で、
「炭水化物が人類を滅ぼす、肉は体力の限界近くまで食ってOK」とか
「トンカツ屋に行ったら、小麦粉の衣を外してからカツを食え」とか
「日本人だからこそご飯を食べるな!肉卵チーズを30回噛んで食え」などと、
米やコムギなどの「穀物」を徹底的に悪者に仕立てている「糖質制限推進センセ方」・・・

センセ方のご教示に従い炭水化物摂取を厳しく制限して、たんぱく質脂質を大量に摂取する食生活を長期間続けますと、腸内環境が悪化して体のエネルギー機能が劣化したり、肉類に多く含まれる飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量が増え、動脈硬化や高コレステロール血症など循環器疾患のリスクも増えてくるとの研究報告もあるようです。 
それ以前に、「医師たる立場」において、「何が何でも特定の栄養素を悪者にする」ことが、逆に「過剰な糖質を少なめにしながらも、食物繊維が含有された炭水化物は摂取して糖耐能を改善する」という「糖尿病の1つの治療方法としての糖質制限」への普及において、足を引っ張っている気がしないでもありません。
ご自身も子どものころから食べてきてすくすくと成長し、立派な大人にしてくれた重要な栄養素である「米や穀物」を「人類を滅ぼすんだ!日本人はご飯を食べるな!」と目の敵にする偏ったホンを書いたりご主張されるセンセ達に、日本で暮らす人々を診察する資格があるのでしょうか?

穀物は全人類、世界中の人が主たる食物として必ず摂取していますので、
やみくもに「炭水化物を悪者に仕立てる」糖質制限盲信派センセ方は「人類を診察する資格がない」とさえ言っても過言ではありません。

そう、まったく言い過ぎではありません。
どんな栄養素も人体には必要なのです。
徹底的に炭水化物を悪者にする医師免許保持者の皆さんが、何と言おうが、どんな本を書こうが、だ!
カラダのエネルギー源や細胞膜の素材となる「糖質」と、消化吸収されずに大腸までしっかり腸内細菌のご馳走を届ける「食物繊維」を含有する「炭水化物」は、人類にとって欠かせない栄養素でありましょう!

【動画出典;DJみそしるとMCごはん 『わたし、ごはん r.t.m. SHINCO(スチャダラパー)』   
 共有埋め込みコードにより引用させていただきました。
   Sony Music (Japan) アルバム「コメニケーション」より】


100歩譲って「糖尿病や肥満治療など医療行為の一環としての食事療法」としてのみ糖質制限を推進するならば、助けを求める患者にとってお役立ちできるし、実際、救われた人も多いですが、ややもすれば「糖質制限すれば痩せるんだ」「驚異のダイエット法を紹介しよう」と、自分たちがダイエット界のアインシュタインやエジソンになったかのように、「ダイエットの発明者、パラダイムシフトなんだ」と言わんばかりに、どや顔で自著ホンを売りまくる「糖質制限推進派の医師センセ達」・・・
医師が奨励する「糖質制限」は、何と「ダイエット法」としての商売道具にもなっている一面もあり、今の日本の歪んで淀んだ「糖質制限ダイエットブーム」の燃料となっていると言っても過言ではなく、現実なのです。

糖質制限推進派センセおよび糖質セイゲロニスト、かく語りき
         ↓
「糖質の摂取が唯一血糖値を上げる原因なんだ!だから人類は糖質制限すべきなんだ」
「糖質さえ食わなければ、たんぱく質脂質は幾ら食っても良い。カロリー制限は効果ない」
「穀物は偽りの神だった。炭水化物は嗜好品に過ぎない。肉は体力の限界近くまで食っていい。」

確かに、炭水化物に含まれる糖質は「インスリン作用不足」に直接作用する栄養素ですが、だからと言って糖質制限推進センセのご高説を信じて「たんぱく質・脂質を食べ過ぎる」と、メタボつまり「内臓脂肪型肥満(インスリン拮抗性による)」を経由して、結局「高血糖」になってしまうでしょう。
一方で、炭水化物に含まれる「食物繊維」は、逆に「血糖を下げる作用」になっています。
栄養素摂取と高血糖との関連.jpg
(出典)厚生労働省健康局、がん対策・健康増進課栄養指導室
 「日本人の食事摂取基準(2015年版)と健康な食事の基準づくりの状況」
  より抜粋引用させていただきました。

上表はあくまで概念図ですが、私は自分自身に当てはめて、よく理解できる図でもあります。
つまり、かつての私のような肥満型糖尿病患者は「まず瘠せることが重要」なので、食事摂取量エネルギーを減らして(カロリー制限)、そして直接血糖値上昇に作用する糖質を減らせば(糖質制限)、血糖値が下がることを期待できるのでありましょう。

だ・か・ら。。。こそ、で、ある。

血糖値ひとつとっても、上げる作用(糖質)も下げる作用(食物繊維)も包括する栄養素「炭水化物」を、「糖質=炭水化物と砂糖類(夏井睦著;炭水化物が人類を滅ぼすP3より)」と、ごちゃ混ぜにして「糖質制限やダイエットを語る」、糖質制限推進派センセのご主張やご著作は、医師免許を持っている人たちだけに、本当に性質の悪い連中である、と、スリムちゃんは思います。

令和の新時代は、やみくもに炭水化物を悪者にすることなく、医師の方はクールに実務的に「糖質の過剰摂取による病変の治療」そして「糖質を上手にエネルギーに変換できる治療」としての「糖質制限食事療法」を推進して頂きたいものです。
糖尿病や生活習慣病のひとつの治療法としての「ガイドライン化」への実現に向けて、「食物繊維が豊富に含まれた炭水化物を味方」とした「質の高い糖質制限」をどんどん推進して頂きたい、というのが、一時期とはいえ狂気のごとく「糖質制限に狂ったようにハマった」私、スリム鳴造の切なる思いであります。

糖尿病治療における「糖質制限」においては、淡々と粛々と、例えば「体重減らして血糖値が下がるまで、短期的に行ってみましょうか」と、治療の一環としてクールに診察してほしいものだ、と、スリムちゃんは考えます。

「炭水化物」にもチャンスを!
平成の時代、徹底的に悪者にされた「炭水化物」・・・
しかし令和のスリムちゃんブログでは「炭水化物の重要性」について、これからもどんどん特集記事にしてまいります。

スリムちゃんブログは、メタボでもスリムでも同年代のオヤジ共と一緒に健康で長生きできたらと考えています。
また、読者さまが女性だろうが男性だろうが両性だろうが、全員のスリム&ヘルシーを応援しております。

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