「炭水化物」にもチャンスを!【10】最終回。腸内細菌の大好物を豊富に含む炭水化物「穀物」を味方にしようぜ!

「肥満が主な原因で発症した2型糖尿病患者」につきましては、私ひとりだけの経験で語らせて頂くことをお許しいただくならば、糖質(炭水化物ー食物繊維)の総摂取量を大きく減らすことで、割と早い時期に肥満改善効果があるものと思います。
ただ大事なポイントは、摂取する食事カロリーの多くを糖質で賄っていたということなので、「糖質制限」すれば、当然のこと、付随してそれは同時に「カロリー制限(総摂取量の減少)」することにもなります。
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とは言え、やはり21世紀令和に暮らす現代人は、メタボ体型だったかつての私を含め、食事を「菓子パンやおにぎりだけ」で済ませてしまったり、甘い清涼飲料水やスナック菓子を頻繁に食べるなど、糖質を摂り過ぎる食生活が習慣になっている人が、あまりにも多いのではないかと思います。
ですので、「加糖&加工された糖質」の食事を減らして、人体維持のために必要不可欠な肉や卵や魚や豆といった「たんぱく質」やその他栄養素もしっかり摂取しましょうという「糖質制限」ならば、現代人なら誰もが、とりわけメタボとなった人にとっては重要であると思います。
「糖質摂り過ぎが原因の肥満者が糖質減らせば痩せるのはある意味当然」という事は、素人患者の私にさえ、その仕組みが理解できましたし、ボディメイク業界や栄養士さん達、そして糖質制限推進派センセが敵対視している糖尿病専門医も、今さら周知している事実でありましょう。
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と・こ・ろ・が。。。で、あります。

「糖質制限あるいは低炭水化物ダイエット」というキーワードが平成の約30年間を通じて、いつの間にか「健康な一般人」にも「驚異のダイエット法」として広まり、糖質や炭水化物の区別もはっきりわからずに、一部の医師や出版社・マスコミなどによって「炭水化物全体が悪者」にされてしまいました。
そもそも「低炭水化物食事法または糖質制限食事法」は、「糖尿病患者に対する食事療法のひとつ」や「ボディメイク系の方のトレーニング法のひとつ」が、本来の目的でした。

そんな中、人の健康生命を預かる立場の医師たちの一派が・・・・・
      ↓
「主食を抜けば健康になるんだ」
「糖質はダメだ。高タンパク高脂質食だ。ビタミンC摂取しろ」
「断糖すれば99%糖尿病が治るんだ。鬱も治るんだ」
「日本人だからこそご飯食うな。肉・卵・チーズ(M・E・C)を30回噛んで食え!」
「炭水化物が人類を滅ぼす。肉は体力の限界まで食っていい」
    ↑
・・・と、糖質と食物繊維の役割をはっきり説明しないで徹底的/排他的/独善的/一方的/に「炭水化物」を悪者に仕立て上げ、「糖質制限」を推進したことは、平成時代の恥部&暗部といっても、まったく過言ではない、と、スリムちゃんは考えます。

さて、当シリーズで再々取り上げてきましたように、炭水化物は「糖質+食物繊維」で構成されている栄養素です。
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平成のいわゆる「糖質制限または低炭水化物食事法」は、カッコ悪い糖質制限推進派センセ達が、ドヤ顔で推進した「驚異のダイエット法だ」との宣伝により、大ブームとなりました。
冷静に考えたら、カッコ悪いセンセがダイエットを語る時点で怪しいのに、医師という権威を信用して書かれていることを真に受けて、多くの一般日本人が「炭水化物=糖質」と誤った理解のまま「炭水化物を悪者」としてしまったのでありましょう。
栄養素として糖質が多く含まれる「炭水化物全体」を目の敵にして、その摂取量を減らすことばかりが強調されてバイアスがかかりまくった「糖質制限」ですが、炭水化物全体を敵に回す食事を続けると、当然の事、同時に食物繊維も不足してしまいます。
食物繊維が不足すれば便秘になったり、腸内環境も悪化して健康にとっての大敵であることは言うまでもないでしょう。
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「いや、僕は私は食物繊維を野菜から摂取するからOK。糖質が多い穀物なんか食わんよ」
・・・・と、「糖質制限に全生活を集中させていた私」も、そのように思っていた時期がありました(苦笑)

しかし、色々なネット情報や本に接してみますに、腸内細菌のご馳走となり腸内環境をヘルシーに保つ役割を果たす「水溶性の食物繊維」は、「穀物」に多く含まれているようです。
「穀類由来の食物繊維の摂取量が多いと糖尿病の発症リスクは低くなるが、果物や野菜の食物繊維では特に関連が認められなかった」という調査報告もあるようで、最近では穀物由来の食物繊維の重要性もわかってきているようです。
図 摂取源別食物繊維摂取量と糖尿病発症との関連.png
また、別の特集記事で取り上げていますが「雑穀やもち麦入りコンビニむすび」においても、商品パッケージに「レタス1個分の食物繊維」をセールスポイントとしているように、効率よく食物繊維を摂取できる食材として「穀物」はパフォーマンスも良いでしょう。
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日本人の肥満や糖尿病発症の原因として、糖質制限推進派センセ達は口角泡を飛ばす勢いで「糖質の摂り過ぎが原因なんだ!」「米や主食を食うな!」としておられます。
ところが、そんなセンセ達の「米を食うと病気になる」とのご高説に対しては、下表の統計による「歴史」がせせら笑っているようです。

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糖質制限推進派センセたちが「徹底的に悪に仕立てた米」は年々消費が減っているのに、成人病や肥満者や糖尿病罹患者が増えているという、厳然たる事実・・・・
そして、糖質制限推進派センセ達が「高たんぱく高脂質食だ。肉は体力の限界近くまで食って大丈夫」とおっしゃるとおり、年々肉や脂の消費が増えています。
つ・ま・り。。。は、です。
ま、実際には「加工加糖された糖質過剰摂取」と「動物性タンパク質や脂肪の摂り過ぎ」の両方が健康に良くないと言えるのではないでしょうか。
同時に今の日本人は「穀物由来の食物繊維摂取が少ない」ことが、色々な成人病や肥満につながっているのではないでしょうか?

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糖質は、単糖類、二糖類、多糖類、いわゆる単純炭水化物、複合炭水化物など、色んな種類に分類されます。
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単糖類、二糖類などの単純炭水化物、すなわち血糖値をストレートに上げる加糖や加工糖類は摂取を控えてたり、精製された穀物・麺の食べ過ぎには注意するべきですが、多糖類などの複合炭水化物に含まれる食物繊維群(レジスタントスターチ・水溶性・不溶性食物繊維・オリゴ糖)、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなどが豊富で低GI値な食材(未精製の穀物、野菜、果物)は、しっかり摂取すれば良いでしょう。

諸説ありますが、ヒトの腸内には約1000種類、約100兆個もの腸内細菌が棲みついているとの事です。

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(画像は、スリム鳴造蔵書「著者;藤田絋一郎、体がよみがえる長寿食」より)

私が大ファンであり何冊も蔵書したり講演動画も参照にさせて頂いている「カイチュウ/腸内細菌/うんこ/免疫学学者」の御年80歳にしてパワフルドクターである藤田紘一郎先生によりますと、人間ひとりひとりによって、腸内細菌のメンバー構成は異なり、なおかつ「多種多様な腸内細菌」に腸内でお暮しいただくことで、免疫力もアップし、ウンチの量も増えて質も良くなるとの事。

(ただ、この藤田先生もご自身が痩せて血糖値が下がって大興奮したのか、売れると考えたのか「50歳からは炭水化物を食うな」との趣旨のホンを出版されておられますが、ま、これはご商売上手なお茶目な先生なのでスルーですw)

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「ご馳走」である食物繊維やオリゴ糖をしっかり食べることにより、腸内細菌の皆さんは種類も数も増殖し「短鎖脂肪酸」により、カラダ全体に機能して健康を維持するのに大きな役目を果たしているようです。
例えば、脂肪を分解しようとしたり食欲をコントロールしたり、また、免疫力を高める機能があるようです。

食物繊維の摂取量が減ると、腸内細菌にとって「ご馳走」が不足してしまいます。

すると当然、多種多様な腸内細菌自体の数も減っていくので、腸内環境が悪化して、便秘に悩まされたり、痩せにくく太りやすい体質になってしまったり、免疫力が低下して病気になりやすいカラダになってしまうのでしょう。

「驚異のダイエット法なんだよ」・・・と、糖質と炭水化物の区別もしっかり明示しない「糖質制限推進派センセ」の勧める「古い平成時代の糖質制限食事法」は、「主食たる穀物さえ悪者」にしている時点で、「腸内細菌の大ご馳走を提供してくれる穀物由来の食物繊維」を全く摂らない食事法なので、令和新時代の「スリム&ヘルシーを目指す」スリムちゃんとしては、全くオススメできません。

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「糖質制限だ!肉や脂は体力の限界近くまで食って良し」との、平成時代の古臭い糖質制限推進派センセのご教示をそのまま実践すると、動脈硬化のリスクが高まったり血管のプラークが増えたりして脳梗塞や心筋梗塞リスクを高める恐れがあるとする「元糖質制限推進していたが今はやめた」という医師先生のブログも読みました。

確かに「糖質制限」って、多くの実践者が短期間で体重がみるみる減るので、私も、そして医師でさえも「興奮・感動・高いテンション」になることは、良くわかります。

「糖質オフだ/糖質ゼロや/高蛋白脂質食だ/糖化は損ですよ/人類を滅ぼす/断糖だ/糖質制限2.0だ/ケトン体だ/メガビタミンだ/MEC(肉卵チーズを30回噛んで食え)/糖質過剰だ(new!!)/血糖値がストンと落ちる(new!!!)」・・・

これらキャッチフレーズをタイトルにしたホンを出版されている「大先輩センセたち」の活躍や影響を受けて、糖質制限は素晴らしんだ、既存医療を変えてやるんだ・・・学会はダメなんだ・・製薬会社にカネをもらっている医者と俺は違うんだ・・・と、正義感に燃える気持ちであふれる若い医師もいるのかもしれません。
しかし残念ながら、医師の中で糖質制限推進だけの「専業」で長期に継続して商売できる人は、事実上実態上、特に令和に入った新時代では、数人いるか、いないか・・・だけだと思います。
「糖質制限」という4文字が「商標看板」となったベテランのセンセたちは、既に数多くの信奉者や出版社や関連会社やビジネス取引先などの自前のマーケットをお持ちなので、これからも一生「穀物や米を敵」にして、「糖質制限/とうしつせいげん/トウシツセイゲン/Toushituseigen」と言い続けるしかないし、これでしか生きるしかないし、それで良いでしょう。

た・だ・し。。。で、あります。

これから先が長い若き有能なお医者さんたちは、どうか自分の人生とキャリアと才能と看板と信用のすべてを「特定の栄養素を悪者にする糖質制限」に捧げることなく、糖質制限関係者や既存医療の双方に折り合いながらも、市井の庶民患者への保険診療で色んな経験を重ねて、長い長い医師人生を進んでもらいたいものです。
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保険外診療、オンライン診療、予約制高額医療・・・「糖質制限を理解した患者主体の治療をするんだ!」との意気込みを持つ医師もいるかもしれませんが、近い将来「糖質制限ブームが終焉」し、熱狂という名の高下駄や梯子を外された後では「特定の栄養素を悪者にしたひねくれた治療法」は、大数の法則からも外れ、特定のマニアやミーハーを除いて、誰からも見向きもしなくなるでしょう。

「糖質や炭水化物」は悪者ではなく「人類にとって重要な栄養素」なのです。

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もちろん糖質摂り過ぎによるメタボリックシンドロームの「2型糖尿病患者」は後を絶たないので、それは「治療としての糖質制限食事法」で「非常に効果的な対症療法としての一時的な治療」を行いながらも、その後のすなわち「二の矢の治療」では例えば、「食物繊維ビタミンミネラル豊富な炭水化物摂取」も患者にご指導していただきたいものです。

 令和新時代の糖質制限は、加糖清涼飲料やスナック菓子など、消化吸収が早くて血糖値を急激に上げる糖質は大幅に摂取を減らしながらも、穀物類(でんぷん食品)は、「精製穀物オンリー」から「未精製で食物繊維を多く含む穀物も取り入れる」などの「炭水化物を味方としたヘルシーな食生活」にシフトしていきたいものです。

糖尿病からの脱却や体重減量を目指したりすることは、「これまでの食生活や人生さえ見直すチャンス」でありましょう。

糖質摂り過ぎてメタボになった人は「興奮して糖質だけ減らして、あとは高たんぱく高脂肪食OKで、足りない栄養素はビタミン剤やサプリで補う」を止めて、「落ち着いて冷静に糖質の食べ過ぎを改めて、全体の栄養バランスを考えた食生活を心がける。」というマインドの切り替えで、自然で無理のない人生が過ごせるのではないでしょうか。


【エピローグ】

いつの日か空を見上げたキミは、地割れに呑み込まれた俺を見ることになるだろう
大爆発してシャンパンの泡のように広がる超新星(寿命を終えた星)に呑み込まれた俺を・・・・
皆が「そんな妄想するお前らは素晴らしい人生から逃避しているだけだ」と信じているようだが、
キミも俺もただ生きて、やがて死んでいくことには変わりない・・・
でもそんな事お構いなしに、俺たちが消えた後も世界はずっと回り続けている・・・・
意味ワカンネーヨ。。なぜ?なぜなんだ?
(意訳、恐らく著しい誤訳 by スリム鳴造)

Oasis - Champagne Supernova(シャンペン・スーパーノヴァ)
【出典;Oasis公式Youtubeチャンネルより埋め込みコードで引用しました。】

ひとりひとりの人生は、シャンパンの泡のように一瞬で、切なくはかないものかもしれない・・・
た・だ・し。。。で、ある。
先人からの生活の知恵や文明や食生活やインフラは、脈々と我々に引き継がれました。
そして、世界が回り続ける限り、次の世代へ引き渡されていくでしょう。。。。。
人類が脈々と引き継いできたもの・・・それは、人類を人類たらしめるもの・・・
火を使い脳の容量が増えて、やがて文明の礎を築いたもの・・・
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穀物そして・・・・「炭水化物が人類を潤す!」

ご唱和ください。。。。

「炭水化物」にもチャンスを!

【完】


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