「嫌ぁアアあああっつ!!何ぁに?この人ぉおおお???」
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・・・・・・今から7~8年前だったろうか、とある市民マラソン大会のゴール間近、友人同士か会社の同僚っぽい20代後半に見える2名の女性ランナーが並んで走っていた。
その時、彼女たちと抜きつ抜かれつ付かず離れず走っていた「中肉中背の40代らしき中年男性ランナー」が、仲良く並走していた女性ランナー2名のわずかな隙間に割り込んで走り込んできた。
その中年軽肥満男は彼女たちを抜き去り、そのままゴールゲートを潜り抜けていった・・・・・・。
冒頭の「嫌ぁあっ!」という叫び声は、割り込み40代男に向けて若い女性ランナーが放った怒りと呆れと蔑みの怒号であった。
42歳(厄年)で尿路結石を発症したワタクシは、主に運動習慣で健康管理する事にして、
色々な市民マラソンに参加していました。今回は「江田島かきカキマラソン」という
大会に参加したときのエピソードです。
この日、10㎞チャレンジコースに参加した「割り込み40代男」こと俺は、「50分以内でゴール」を目指していた。
しかし、山が海の目前まで迫っている島で行われるランニングコースは、スタート地点こそ港に近い平坦な場所だが、すぐに坂道のアップダウンが続き、しかもそれがコースの大半を占めるという、なかなかのハードな道のりである。
ただし、坂道を上がったら高台だけに景色は良い。
対岸には宮島も望める。
沿道の地元の皆さんの「頑張れー、ガンバレー」のお声がけも心地良い。
スタート直後こそは、速いランナー遅いランナー入り乱れているが、2~3㎞も走ると大体同じ程度の速力の者たちとの抜きつ抜かれつになってくる。
無我夢中で走る俺は、その時その時で、自分と同じくらいの速力の「ランナーの背中」を目標にして、その人を抜いて、また次の「ランナーの背中」を見つけて抜いてを繰り返していた。。。。
「江田島かきカキマラソン」のコースより、瀬戸内海と宮島を望む
「はっ・・はっ・・はっ・・・」
「がんばろうね」
「もうすぐゴールだよ」
「そうだね」
・・・・ゴール2㎞前くらいからだったろうか。
小柄で少しぽっちゃりしている若い女性2人がお互い声をかけながら走っている。
俺はこの2人を次の「背中ランナー」としてポイントすることにした。
ところが・・・だ!
この2人は俺が抜いても、またすぐに俺を抜いて前を走っていく。。。。
アップダウンの坂道を走り続け体力が急速に落ちているせいか考える余裕がなくなってきていた俺は、「どうやらコイツら(若い女性2人)と俺が競う形になったようだ。若いとは言えぽっちゃりの女性に抜かれるわけにはいかん!」と、自分が当時「やや肥満体」だったのは棚に上げて、妄想にとりつかれていた。。。
ケツの穴が小さく、なおかつ人間の器もとてつもなく小さい事を自覚している俺だが、この日はとりわけ目標タイム達成に拘っていた、というより執着していたのであろう。
本来、市民マラソンは、自分自身が楽しく走るために参加するものであろう。
タイム目標に拘ると言っても、それはせいぜい「自分自身の内なる戦いであり、他人と争う気持ちを持つこと自体が人間としては愚か」であろう。
その人間のクズと言ってもいい愚か者の俺の心中は次第に「小心・狭心」から「狂心・凶心」に悪化していた。
40代の頃は、多い年は年5つくらいの市民マラソン大会に参加していました。
画像は参加賞のTシャツです。左は「ひろしまみかんマラソン」
右は「広島国際平和マラソン」・・なお、この頃はそんなに太っていませんでした。
ゴールまで1kmを切った頃から、俺と女性2人組は、抜きつ抜かれつで走っていた。
一般的には市民マラソンの素人ランナー同士で、こんなに何回も抜きつ抜かれつは不自然だろう。
当事者のどちらかが執着して自分の体力を超えて走っているとも言える。
最後の長く急な上り坂で俺はペースが大きく落ちてしまった。
女性2人組の背中が遠くなっていった。
「くそゥ!クソゥ!」
ゴールは港に近い広場だ。
坂を上り切った後は、ゴールへと続く長い長い下り坂である。
「俺は男だしアイツらより背が高いし足が長いから、下り坂を大股で走ったら理論上彼女らに追いつき、抜かせるはずだ!」
ラストスパートをかけた!
女性2人組の背中が近くなってきた。
大股で走る。
息が苦しい。
脳に酸素が十分に供給されてない気がする。
足が持つか?
足がつりそうな予感もある。
彼女らに追いついて、ついに抜いた!
「ゴールは?ゴールはまだか?」
もう限界だ。
ペースがまた落ちた。
と、同時に、女性2人組は弱った獲物に食らいつく肉食動物のような俊敏さと獰猛さでターゲットの俺を捉える。
またしても彼女たちに抜かれてしまった。
「と、とにかく、これ以上離されないようにしよう。最後で勝負をかけよう」
・・・もう「50分以内でゴール」はどこかに飛んでしまっていた。
ゴールゲートが見えてきた。
ここまでくると、ほとんどのランナーが最後の体力を出し切って速度を上げてくる!
彼女らも速度が上がった、俺も大股で走る!
女性2人並んで走る背中を捉えた!
ゴールまであと20m!
「タッタッタッタッ!!!」
並んで走っている女性2人のわずかな隙間をぶつかるのを覚悟で走り抜ける俺っ!
「嫌ぁアアあああっつ!!何?この人ぉおおお???????」
左を走っていた女性が叫んだ!
咎めるような叫びだ!
呆れたような怒号だ!
彼女の声には蔑みさえ含まれている。
しかし、俺や彼女たちが共有していた数分間の競り合いに決着がついた!
俺は勝ったのだ(一体、何に?)
タイムも49分台で、50分を切った。
江田島かきカキマラソンは、参加ランナー全員に「やき牡蠣食べ放題」が振舞われたり、
地元の海産物・特産物などの出店で食べ歩きができたり、抽選大会があったりと、
イベントが楽しい大会でした。ただし、「焼き牡蠣食べ放題」は、網焼きの回りをランナーが取り囲んで
紙皿に牡蠣を入れてもらうのを待つというスタイルなので、1人で参加した年は、気の小さいワタクシは
他人をかき分けて前に出ることがなかなか出来ず、あまり多くは食べられませんでした。
・・・・・・と、今さら、どうでも良いような事を長々と実況したのには理由があるのかもしれない。
もし、運命の神様または悪魔という奴らが存在しているとしたら、この日の市民マラソンでの俺の態度をニヤニヤしてみていたに違いない。
そう、この市民マラソン大会の直後、ワタクシは「アノ激痛」に再び見舞われることになったのです。
そして、健康に気遣って運動習慣を身につけていたはずなのに、この後、どんどんメタボ化していく事になるのです。
アイタタタタッツ!!!・・・・記事の内容も激しくイタイ気もしますが、かまわず次回へ続きます・・・・
この記事へのコメント
たーたん
ハァハァ(;゚∀゚)=3
スリム鳴造
今の私は「ランニングも人生も、他人様と競わずに共存して楽しく生きていく」ことこそスリム&ヘルシーの王道であると思っています。