「食物繊維」をモリモリ食おうYO!【特に穀物】⑥短鎖脂肪酸の働き

ヒトの腸内には、主に小腸から大腸にかけて何と約1000兆個もの腸内細菌の皆さんが暮らしておられるようです。
そして、健康な状態を維持したり太りにくい体質のためには、腸内細菌の「種類の多さ」も重要な要素であるそうです。
まだまだ未解明のことが多いようですが、ヒトは数百種類もの種類で人口?1000兆もの皆さんで構成された腸内細菌と共生して毎日の生活を営んでいることは間違いのない事実でありましょう。
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そ・し・て。。。。で、あります。
腸内細菌が食物繊維(難消化性糖類)を発酵する際に産生する「短鎖脂肪酸」が、健康維持に欠かせない役割を果たしているそうです。
植物性食品が含む炭水化物のうち未消化のものは、結腸に宿る微生物によって、短鎖脂肪酸へと代謝される。
(中略)
この短鎖脂肪酸は、腸と脳のコミュニケーションの主要なプレーヤーでもあり、さらには高脂肪食や人工甘味料が引き起こす低悪性度炎症の危険から脳を保護するプロセスにおいて、重要な働きをする。

【出典;スリム鳴造蔵書「腸と脳」著者、エムラン・メイヤー(訳者、高橋洋)より】

ほほう。
小腸でエネルギー源として吸収されずに大腸へ運ばれる「食物繊維」すなわち「炭水化物」の構成栄養素。
ヒトの持つ酵素では消化できないので、かつては「食べもののカス」と言われていた食物繊維ですが、それでもガンや動脈硬化や肥満の予防効果がありそうだということは昔から分かっていたようです。
そして、最近の研究により、なぜ食物繊維摂取が人体の健康に有用であるのかが次々と原因が分かってきているよです。
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そのひとつが、食物繊維摂取によって腸内細菌が生み出す「短鎖脂肪酸」の働きでありましょう。
一般的には、短鎖脂肪酸は酢酸・プロピオン酸・酪酸が代表的なもので、これらは私たちの体の中では腸内細菌のいる大腸で作られ吸収されます。

脂肪酸は、油脂を構成する成分のひとつで、数個から数十個の炭素が鎖のように繋がった構造をしています。
そのうち炭素の数が6個以下のものが短鎖脂肪酸と呼ばれ、酢酸、プロピオン酸、酪酸などが含まれます。
短鎖脂肪酸は、ヒトの大腸において、消化されにくい食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が発酵することにより生成されます。
生成された短鎖脂肪酸の大部分は大腸粘膜組織から吸収され、上皮細胞の増殖や粘液の分泌、水やミネラルの吸収のためのエネルギー源として利用されます。
また、一部は血流に乗って全身に運ばれ、肝臓や筋肉、腎臓などの組織でエネルギー源や脂肪を合成する材料として利用されます。
その他にも短鎖脂肪酸には、腸内を弱酸性の環境にすることで有害な菌の増殖を抑制する、大腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促進する、ヒトの免疫反応を制御する、などさまざまな機能があることが知られています。 

【出典;ヤクルト中央研究所HP「短鎖脂肪酸」より抜粋して引用させて頂きました。】
おおう!
パワフル!ワンダフル!ビューティフル!ハートフル!
肝臓や筋肉のエネルギー源を合成する材料になったり、有害菌を抑制したり、お通じを良くしたり、と、素晴らしい効果がある「短鎖脂肪酸」であるがゆえに、それを産生する食物繊維とりわけ「水溶性食物繊維」や「レジスタントスターチ」は、モリモリ摂取していきたいですね。


小腸で吸収されにくい「水溶性食物繊維」や「レジスタントスターチ」は大腸まで運ばれていきます。
吸収が遅いのでその後も大腸のずっと奥まで届き、そこで平和に暮らすビフィズス菌(嫌気性のため腸の奥に存在)のご馳走になっているようです。

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【画像A 出典;森下仁丹HP「腸内フローラ最前線」より転載させていただきました。】

画像Aは、摂取した食べ物が吸収されて排便されるまでの流れが記載されています。
栄養素はほとんど「小腸」で吸収される一方で、未吸収の未消化物すなわち食物繊維は大腸に到達し、そこで暮らす腸内細菌がご馳走として食いまくり分解し、有用代謝物質「短鎖脂肪酸」を産生し、水分を吸収して残りの固形物を便として形成するようですね。

さぁて、んじゃ、どんな食べものをモリモリ食べると、人体の健康に有用な「短鎖脂肪酸」を生み出すことができるのでしょうか?
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中戸川貢先生、講演動画より.jpg

【画像Bおよび動画 出典;動画「間違いだらけの食品選び」 中戸川貢の食育セミナー第4回   より抜粋転載させていただきました。】

画像Bは、腸内の各部位の腸内細菌にしっかり届く「食物繊維」の種類が記載されています。
「腸内細菌のエサ」と画像や動画では説明されていますが、スリムちゃんブログでは「腸内細菌のご馳走」をお呼びしたく存じますが、ま、そこはまたの機会に。
さて、講師の中戸川先生は「大腸の奥の肛門に近い所まで消化されずに辿り着く食物繊維」の摂取が重要であると解説されています。
それは「大腸の奥」と言われる下行結腸の先にこそ、「短鎖脂肪酸」の産生に寄与しているといると言われる善玉菌の皆さんが住処にしているとの最近の研究結果があるようです。
食物繊維の種類と腸内への作用について、大変分かり易く解説されている動画ですので、ぜひご参照にしてみてください。

一般的には、酢酸・プロピオン酸・酪酸が代表的なもので、腸内細菌のいる大腸で作られ吸収される短鎖脂肪酸。
ここで、短鎖脂肪酸の働きについて調べてみました。
短鎖脂肪酸のヒトの健康とのつながり

発がん予防効果
大腸内を弱酸性にすることで悪玉菌の活動を抑止して発がん物質ができにくくなるため、大腸がんの予防効果がある。
また大腸細胞の異常な増殖を抑えて、大腸細胞の病変を抑えるため大腸がんの発症を抑えることができる。肝臓がん細胞に作用して肝臓がん細胞の増殖を抑えると言われている。

1.バリア機能の強化
短鎖脂肪酸の一つである酢酸には病原性大腸菌に感染しても、毒素が体内に入り込みにくくすることが分かっている。
なお、酪酸には粘膜物質であるムチンの分泌を促し、大腸を保護する働きがあります。

2.免疫機能の適正化
全身の免疫細胞の60%があると言われている腸の免疫が強くなりすぎると過剰な免疫反応が全身に影響すると言われていますが、酪酸には過剰な免疫反応を抑える免疫細胞を増やす効果があります。

3.肥満の予防効果
脂肪細胞へのエネルギーの取り込みを抑えることにより、脂肪細胞の肥大化を防ぐとされています。
また、神経細胞に作用して交感神経を刺激してエネルギー消費を促すなどエネルギーバランスを整えると言われている。

4.糖尿病の予防効果
酪酸は腸管に作用して、腸管ホルモン「インクレチン」の分泌を促す作用があり、インスリンを分泌する腎臓細胞の減少を抑えインスリンの分泌を促すホルモン「インクレチン」の分泌を促す作用がある。
現実に糖尿病の治療薬にも使われている。

5.食欲の抑制効果
酪酸やプロピリン酸には腸管細胞から腸管ホルモンを分泌させ、脳に作用して食欲を抑える働きがある。
また酢酸自体はそれ自体が脳に作用して食欲を抑えるのではと言う研究報告もある。

【出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia) 「短鎖脂肪酸」 より、抜粋して引用させていただきました。】


このように、全身に機能作用して良い影響を与えている「短鎖脂肪酸」は、食物繊維を大ご馳走としてモリモリ食べまくる腸内細菌によって生み出されているのでございましょう。



「食物繊維」をモリモリ食おうYO!【特に穀物】シリーズ

     
⑥短鎖脂肪酸の働き
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