糖質制限推進派センセ方のホン読後感想(あいうえお順)08ー1

●はじめに
前回「糖質制限推進派センセ方のホン読後感想(あいうえお順)07」において、私は夏井睦先生のホン「傷はぜったい消毒するな」を「5つ星、超おススメ必見です」と、最大最高評価させて頂きました。
夏井先生が同著で解説された「傷を乾かさず消毒しない湿潤治療」は、それまでとは全く正反対の新しい治療法が詳細に解説され、読み応えのある「大ご馳走」の内容でした。
所属学会の重鎮に「こんな熱傷治療をしていると形成外科認定医として認めるわけにいかない!」と恫喝されて「認定医を返上した」と夏井先生は、ご自身のブログで述べられています。
良い治療法があっても採用せず既得と面子を重んじる学会を去り、患者さんの利益を選択された、正に医者の良心を身をもって貫き通す夏井先生。
そして「患者さんのペインレス&スマイルを第一義」とし、ご自身の治療実績を「インターネットで全国の医者および患者さんと横繋がりでの情報を共有化した」という日本初のパラダイム・シフトを成し遂げられたのです。
「傷はぜったい消毒するな」は、その「双方向でお役立ち情報を共有化を成し遂げた」集大成で金字塔であると言える名著であると思います。
タイトルの「ぜったい」「消毒するな」とは、本来であれば私が嫌いな「決めつけ型、上から目線」ですが、このホンにおける夏井先生については、「そんな好き嫌いの次元ではない」真摯なパッションが伝わってくるので、読後はタイトルに何ら違和感も嫌悪感も持ちませんでした。
「形成外科医で実際に己が数多くの患者さんと向き合ってきた」という「等身大」の著者が放つ「ぜったい」消毒するな。
後ろ盾やケツ持ちは学会ではなく「日本全国の患者さん」という、「何なら俺が責任取ったる」という、凄まじいエネルギーを読者に伝えています。
基本でありながら怠りがちな「顧客(患者)の事を第一に考えて仕事を遂行する」において、零細自営業者である私は、夏井先生に大いに勇気付けられました。
もちろん「湿潤治療」については、古くから知られていた療法らしいので、夏井先生以外の医師も実践していたのかもしれません。
何でも「自分が独自に始めたパラダイムシフトだ」と、自分語りが行間に溢れる夏井先生独特の筆運びについても「何だかなぁ(苦笑)」という印象を持つことも事実です。
・・・が、しかし、それでも。。。で、あります。私が夏井先生がパラダイムシフト実践者だと思うのは「患者第一を想う医師として自由人として、双方向で無数無名の全国の人々を救った」という実績であります。
つまり、無名無数の人と横で繋がるネットが大好きな私「スリム鳴造」は、それを己の治療法伝承で成し遂げた夏井睦先生の大ファンであるといえましょう。

いや、「大ファンであった・・と言うべきか」・・・・
あのホンと出会わなければ・・・・・


夏井睦「炭水化物が人類を滅ぼす」
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私がこのホンを読むきっかけとなったエピソードはコチラ

①内容について
形成外科医として「患者さんと向き合ってきた実績」に基づき「湿潤治療」を語っていた夏井先生ですが、コチラ「人類を滅ぼす」は、あっさり一言で言えば「俺は痩せた、だから糖質制限は凄い」という内容に過ぎず、患者さんを救ってきた実績はありません。
つまり内科医にせよ外科医にせよ「糖尿病患者に対する糖質制限治療」のホンは巷には溢れていますが、コチラは「糖質制限の治療はしない医師が、自分に起きた体験を書いただけに留まらず、妄想を拗らせた」ホンと言えます。
それはそれで良いのですが・・・・・・・


本書では、中年オヤジでもスリムに変身できる方法を紹介する。(~中略~)この方法なら、誰でも簡単に、短時間で努力なしに、ほぼ確実に痩せられるからだ。痩せないわけがない。という驚異のダイエット法だからだ。その至極簡単な痩身法とは、「糖質制限」である。糖質(=炭水化物と砂糖類)を食べないという驚異のダイエット法だからだ。
~「2013年10月初版/夏井睦著;炭水化物が人生を滅ぼす、はじめに(P3)、より抜粋引用」~

上記の本文引用箇所は、このホンの冒頭、最初のページです。
私は早くもこのホンがとんでもない駄本&愚書である判断をしました。
ウソが書いてあるからです。
ウソ・・とはどの箇所か、スリムちゃんブログの読者さんならもうお気づきですね・・・。
そう、夏井先生は最初の1ページ目で「糖質=炭水化物と砂糖類」と大ウソを平気で書いています。
私は何度も該当箇所を見ました。幻でも見間違いでもなくはっきり「糖質=炭水化物」と記載されています。
いや、私も「糖質制限を勉強する前」は、糖質と炭水化物の違いなど分かりませんでした。
「糖質が甘いもので、炭水化物が白米とか麺類だよな」・・・と、かつての私は思い込んでいました。
私だけではなく、日本に住むほとんどの人がかつての私と同じ認識でしょう。
それを踏まえて、以下の引用をご覧ください。

糖質ゼロの健康法P49より.jpg
日本では、専門家のなかにも糖質と炭水化物を混同している例が多く見受けられますが、これは欧米で「糖質」を表す適切な用語が存在しなかったことが原因です。(~中略~)しかし、人間は食物繊維からエネルギーを得ることはできません。この両者を混同した議論は不要な混乱を招くだけだとわたしは考えます。

~「画像、文ともに、2011年4月初版/釜池豊秋著;糖質ゼロの健康法、P49より抜粋引用~
上記は、私が大ファンである「医師を廃業し、糖質(田んぼ)のない南国の離島へ消えたロックンロール先生」こと釜池豊秋先生のごホンからの引用です。
2013年の「夏井睦著;炭水化物が人類を滅ぼす」より2年も早い「釜池豊秋著;糖質ゼロの健康法」で、釜池先生は、一般読者の混乱を防ぐために「糖質と炭水化物は分けて議論しよう」と訴えておられます。
外科医でありながら「多くの糖尿病患者を救ってきた実績をお持ちの釜池先生」のシンプルだが最も重要な一文です。
それを何と愚かな事か、2年後の夏井先生のホンでは「糖質=炭水化物」と書かれています。
このホンは第1ページ目から糖質と炭水化物をごちゃ混ぜ有耶無耶にして進む気満々です。
上にも書きましたが、一般国民の多くは「糖質は砂糖とか甘いもので、炭水化物は白米とか麺類」という、擦り込まれた認識があると思います。
TVの健康番組でも、ほとんどのタレントさん等の出演者も同じような発言をされていますしね。
私にとってこのホンは、第1ページ目から「糖質という栄養素を詳しく知らない一般国民」つまり「事情に詳しくない一般素人に売りつけようとする嫌な感じ」がプンプンと感じられました。

この「大嘘」の後では「誰でも簡単に、短時間で努力なしに、ほぼ確実に痩せられるからだ。痩せないわけがない」という、本来なら看過できない大げさな表現や、決め付けや煽りを見逃してしまうほどです。
しかも、仮にも医師が「誰でも痩せられる驚異のダイエット法」と言い切ってしまって良いのでしょうか(大苦笑)
患者さんを救ってきた実績が土台となっている「ぜったい消毒するな」のホンは、「ぜったい」という言葉の強さに反発する暇もないほどの夏井先生の良心&パッションが文体に踊り、読者も「はい。夏井先生が言うならその通りです」となったでしょう。
しかし、この「人類を滅ぼす」のホンでの「糖質=炭水化物を制限すれば誰でも痩せられる」は、どんな根拠があって書かれているのでしょうか。
このホンを読む限り判明する事実は、夏井先生ご自身が痩せられた・・というだけです。
ま、書中には「糖質セイゲニストかく語りき」と、実践者のダイエット成功例がツラツラと紹介されてはいますが。。。。
しかし、こと痩身健康などの薬機法に関わる「医療や美容」に関しては、「誰でも」という絶対的な物書きをしてはならないと思います。
このホンが今より5年前の初版の古いホンだとしても。。。。で、ある。
それゆえに「・・・である。・・からだ。」と、トゲのある偉そうな決め付け物言いなクセのある夏井先生の文体自体も、この「人類を滅ぼす」では、極めて不快でむなしい遠吠えに聞こえるのみです。


さらに本書での夏井センセの迷走(暴走?)は果てしなく続きます。
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